第2話 ようこそ

桜が満開を迎え、青い空と桜の花びらが地面を覆い、清々しい朝を迎える。

東京駅直通のα専用のホテル、高額だが、1日の予約は満員となるほどに人気のホテル。


従業員は全員α、就職する際には卒業した大学と得意分野の説明、ホテルマンとしての実践的な試験もパフォーマンスしなければいけない。

落ち着いて対応でき身のこなしもとれている優秀なαだけがこのCountry new Hotelに入ることを許される。


俺の名前は柊航(ひいらぎわたる)。

スーツの襟元にはピンをつけている優秀なホテルマンとして仕事をこなしている。

このピンは集められた優秀なαの中でも最高級な人しか得ることはできない。

俺の特技はバーテンダー、マッサージ師、語学力が長けている、他にも得意分野はあるが

一番人気なのはバーテンダーでブレンドしたワインはホテルで製品として売られるほどにまでなる。


ホテル前に1台の車が到着する。


「ようそこ、α専用ホテルへ」

と支配人が出迎える。


「チェックインはこちらでございます」

新規でご利用いただく、澤田様


「あぁ2週間世話になる」


すらっとした身長でモデルの様に美しい。

αはそう人が多い。


「それでは世話係の柊がお部屋まで案内させていただきます」


名前が呼ばれ、前に出て客室まで案内をする。

36階のスイートルーム、かなり金持ちじゃないとこの部屋は予約ができない。


「素晴らしい景色だ、夜景が楽しみ」

「ありがたいお言葉うれしく思います」


「んーー」

と背を伸ばしている。


「澤田様、本日は当ホテルをご利用いただき誠にありがとうございます、世話係を担当いたします、柊と申します、よろしくお願いいたします」

とあいさつをした。


「ああ、よろしく」


ホテルにはいくつかの決まりがある。

1週間以上滞在されるお客様には世話係という役職が与えられる。

身の回りの世話やちょっとした会話、仕事もたまに任せられる時もある、しかし1人のお客様に対してではなく、従業員1人に対して複数のお客様に世話係を任せられるため、こちらは先着順になる。


澤田様は2番目なので権利は2番目に強いということになる。


「本日はどのようなご予定で?」

「今日は、部屋でゆったりしてるよ、また夜に呼ぶから今は下がっていいよ」


「かしこまりました、なにかありましたらフロントにご連絡くださいませ」

「うん、ありがと」



部屋から出ると、深呼吸する、明日は上田様がいらっしゃる…。

顔が強張りながら廊下を歩いていると


後ろのドアが開き

「あ! 柊さん」


と名前を呼ばれたので振り向くと

「なんでしょうか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る