3, 異変

 トイレでのいじめがあって何日か経った頃。


教室で1人座っていると近くにいた華奈美たちがこんな話をしていた。


「ねぇなんか最近、綾香って学校に来てないよね?ひかる何か知らないの?」


「うん…。メッセ送ってるけど既読にならないんだ。インフルとかそういう病気系?なのかな〜?」


「あいつバカなのに〜?病気とかウケるんだけど笑笑」


「ははは〜、そう、だね〜…」


華奈美が笑っているのに釣られてひかるも引きつった表情で笑っていた。


私はこの様子を見て自分を押し殺してまで権力者の元にいたいとは思えないなと思った。


そんなひかるの様子を見かねてか、麻実が助け舟を出す。


「そういえば今日、文化祭で何をやるのか決めるらしいよ〜」


「えぇ〜、ちょっとめんどいな〜。

うちは彼ピの智くんと周りたいから楽なやつがいい!!」


「楽なやつだと展示物系だといいんじゃない?準備は大変だけど私たちはやってます風にしてれば大丈夫だと思うし、当日はやることほぼないから楽だと思うよ。」


「麻実、天才じゃん!もうそれで決まりで良くね?」


華奈美から褒められた麻実は少し嬉しそうな顔をする。


「じゃあ文化祭の話し合いになったらうちが言うわね。」


キーンコーンカーンコーン


予鈴がなったため華奈美たちは各々の席へと戻っていった。


ふぅ…。


あのトイレでのいじめ以降、綾香が学校に来なくなったのもあってか、あまりいじめられなくなった。


まぁその方が平和だからいいんだけど。


結局、その後の文化祭の話し合いで華奈美が展示物系にすると言い出したため、それに決定したのだった。

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