スプーキードール

細谷 幸叶

1, 変わらない日常

キーンコーンカーンコーン----


 学校のチャイムの音が校内に響き渡る頃、

私は彼女に頭を強く掴まれ、そのまま便器の中へ顔を突っ込んだ。


「ゴボゴボ、、、、ブハァっ!!」


(息が苦しい…助けて…)


「ギャハハ!!きったねぇ〜!!」


私をトイレに連れてきた4人組の笑い声が響く。


限界が近づいたタイミングで髪を引っ張られ、やっとの思いで息を吸う。


「ゲホ、ゲホ、ゲホ、、、おぇっ…」


トイレ独特の匂いに思わずえずいてしまった。


その姿を見て4人組はさらに面白がる。


「くっさ!」


「ちょーウケるんだけど笑笑。あ、誰か動画撮った?」


「はーい!バッチリ撮れたよ〜」


「あとでグループに送っといて〜」


「り〜」


「あ、もうこんな時間か。うちこの後、智くんとデートだから帰るね。」


「私たちも帰ろ〜。神城さん片付けよろ〜。」


4人組は嵐のように去っていった。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


しーんと静まり返るトイレに響く私の息遣い。


(なんで私がこんな目に遭わないといけないのだろう…。みんな死ねばいいのに…。)




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