怪盗仔猫 VS わんわん警察

陽菜花

プロローグ

「待て!!!止まれ!!!」



日が暮れる、薄暗い街。

人気のない道でわたしたちは必死に走る。

ここで、負けるわけにはいかない。



絶対に、逃げ切るんだ。

絶対、捕まえるんだ。



とは言っても、ずっと走り続けている。

訓練をして体力をつけてきたとはいえ、さすがにそろそろきついかも。


「悠太、いつまで走るの?」


「この先は行き止まりだ」


幼馴染みかつ相棒が腕の特殊なウォッチを見て教えてくれた。

この機会便利だよね。


「じゃあチャンスじゃん!」


「そうだな。追い込むぞ」


「了解!」


悠太の言った通り、行き止まりがある。

これは、マンションかな。

結構高い……

さすがにこの高さに猫ちゃんは無理でしょ。


「そこまでだ。大人しくしろ」


悠太が猫ちゃん2人に拳銃を向ける。

目の前に高い壁があるのに2人は妙に落ち着いている。


金髪男子は黒猫、白メッシュのロング黒髪女子は白猫。

猫耳と尻尾が可愛いし、めちゃくちゃもふりたいけどここは我慢、我慢。



「ブラン、いくぞ!」



黒猫の一声に、猫ちゃんは2人はマンションの横の壁を大きく蹴り、大ジャンプした。


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