第21話 俺って人権持ってなくね?

それから、特に何もなく、危惧していた三人からの説教もなく、無事に雑誌の発売日を迎えた。

ちなみに、三人は朝早くから出かけている。

何しにいくのって聞いてもなんも教えてくんないんだよね。なんでだろ?

まあ、俺は一人時間を楽しみますか。



翌日。

俺はきちんと一人時間を楽しめたし、三人も楽しめたようだった。

そういえば、起きたらめっちゃ不在着信あったんだけどなんで?


「おはよー」

「あ!やっと来た!」

「大変だよ!」

「海斗、休日で私が起こしに行かないからって緩み過ぎ」

「えーと、三人ともこんな朝からどうした?」

「どうした?じゃないよ!」

「ってかもうお昼」

「うっ、まあそんなことは置いといて、何がやばいんだ?」

「これ!これ見て!」

「?」


澪に半ば強引に見せられたそこにはトレンド一位となった俺の名前があった。

え、なんで?


「ちょっと待て、なんでこんなことになってんだ?」

「わかんないよ!」

「だいたいは、雑誌買った人だと思う」

「あ、通りで不在着信が大量にスマホに来てたわけだ」

「そうそれだよ!」

「お兄が出ないせいで家の電話にかかってきて大変だった」

「私が呼ばれたのもそれがあったから」

「なるほどなぁ」


うん、ちょっともうよくわかんないから、なんか食おう。


「え、ちょっと!」

「なんだ?俺は今からなんか食おうと思ったんだけど?」

「いやいや、普通に一回留守電返してあげて」

「えー」

「えー、じゃない!」

「むぅ、わかったよー」


しょうがない、かわいい妹の頼みだ、聞いてやろうではないか。


『もしもし、不知火さん?』

『もう、海斗さん!いつまで寝てるんですか?』

『知りません』

『知りませんって、、、』


なぜかあきれられてしまった。


『はぁ、まあいいです。本題に入りますね』

『はい』

『実は先日、海斗さんに代役でやってもらった雑誌が売れまくってまして、社長が是非うちでモデルやらないか?と言ってるんですけど、、、やって見ませんか?』

「なあ、俺、モデルやった方がいいと思う?」

「うーん、どっちでもいいんじゃない?」

「鈴香ちゃんは?」

「え、私?」

「うん、鈴香ちゃんの気持ちが一番大事」

「え、そういうのって俺が言われるやつじゃないの?」

「お兄ちゃんの意志は一切気にしてないよ!」

「えー」

「うーん、やってもいいとは思う」

「やってほしい?」

「うん、まあ」

「だって、お兄。というわけで部活に支障が出ない程度に活動してください!」


え、俺の意志なしに決まったんだけど?


『えー、まあ、そういうことです』

『わかりました。その旨を伝えておきますね』

『お願いします』

『では』

『はい、さよなら』


「ねぇ、俺って人権ない感じ?」

「うーん、わかんない!」


そんな自信満々に言われても、、、


「「「まあ、そんなわけで、、、頑張ってね!」」」


しゃーない、適当に頑張るか。






第二十一話です!

昨日は1日投稿できずにすみません。

いろいろ諸事情がありまして、できませんでした。



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