T字拘束されて男にくすぐられる梓

「…やんっ!?」

背後に回った男に右脇の下を人差し指一本でそっと撫でられた梓は色っぽい声を漏らす。

「梓ちゃん、大丈夫?」

「あっ…はい…ごめんなさい…ゃんっ!」

 もう片方、左脇の下も同じように撫でられる梓。右脇の下よりは少し弱めに撫でられた。

「んふっ…やっ…ふふふっ…やっ…はっ…ふふっ…あっ…はっ…はっ…」

そのまま左脇の下を撫でた時の強度で人差し指一本で両脇の下を同時にこそばされる梓。指先で脇の下を撫でられる度に身体をビクッと震わせ、肩を竦めるような動きを見せている。

「やっ…はっ…あっ…はっ…んんっ…あっ…あはあんっ!あっ…はっ…やははっ!」

脇の下を優しく撫でられるのに梓が慣れた頃、時折指先で素早く擦られたり、窪みに指を少し沈ませられたりされ始め、余裕はすぐに奪われる。

「あはっ!…やっ…んんっ…あっ…はあんっ!…あは…あっ…やっ…あんっ!」

くすぐったく感じた方の脇の下から逃げようとするかのように逆方向に身体を捩り、首を傾げるように顔をくすぐったく感じた方の肩の上に乗せる仕草を右に左に繰り返す梓。くすぐったそうな表情で左右に腰を振る梓を他の常連達も横目に見ている。

「やっ…はっ…あっ…はっ…うふふっ!?…うふふふっ!」

また少し慣れてきた頃、今度は男は指を全て使い始めた。梓はシャツ越しに脇の下をこちょばされる。

「うふふっ…ふっ…ふうっ…ふふふっ…はあっ…ふふふっ…ふっ…はっ…ふっ…ふふふふふふっ!」

最初はゆっくり優しくこちょばしていた男だが、すぐに強度を上げていき、梓の様子を見ながら感度を探っていく。

「あああっ…はっ…はあっ…はああああっ…はっ…はっ…あはははははっ!!あははっ!くすぐったい!あははっ!あはっ…あっ…はあっ…あははははっ…あっ…はっ…はっ…あはははははっ…」

男は梓の反応から大体の感覚を掴んだ。くすぐったいと感じながらも余裕を完全に失いくすぐったさに翻弄される状態の一歩手前くらいのくすぐったさを梓は脇の下で感じ続けさせられる。増したくすぐったさのおかげか、指一本の時には残っていた梓の不安そうな表情も薄らいでいく。

「あっ…はっ…あははははっ…あっ…はあっ…はははははっ…はっ…あははははんっ…あっ…はああああんっ…」

小刻みに足踏みし、脚をクロスさせたり身体を捩ったりしながら悶える梓。肩をすくめ、時折首をがくがくさせ、左分けの前髪が揺れる。

「あはははははははっ!あっ…はあっ…はあっ…はあんっ!あははははははっ!あはははははんっ!はあっ…はあっ…はあっ…はあっ…」

「ちょっと少し休憩しよっか、梓ちゃん」

「あっ…はいっ…ああっ…はあっ…はあっ…」

息を切らした梓の前にグラスに入ったオレンジジュースが差し出される。差されていたストローを咥えてジュースを飲む梓。だが、そのオレンジジュースには味の似たお酒がそれと分からないよう調整された割合で混ぜ込まれていた。

ジュースを飲み終わり、息が整った梓の脇の下に再び男の指が迫る。

「ふふっ…ふううっ…ふっ…うっ…うふふふふっ…ふふふふふっ」

ゆっくり時間をかけて、様子を伺いながら男は優しく梓の脇の下をくすぐる。脇の下の反応がかなり良かったため、他の場所は試さずに脇の下を集中的にくすぐったくさせてやろうと、男は考えていた。

「ふふふっ…ふっ…あっ…はっ…はああっ…はっ…はっ…はっ…はああああん…はあっ…はっ…あっ…あっ…あははははんっ…」

梓の顔は次第に赤くなってきていた。強くはなかったようだ。

「あははははんっ…あっ…やっ…やははははんっ…やっ…あっ…はんっ…あははははんっ…あっ…んっ…あははんっ…あははははんっ…」

顔も身体も火照ってきた様子の梓の声は色っぽさを増していく。そんな自分がくすぐられている様を目の前に柱に映しだされ、見ては恥ずかしくなったのか目を逸らすといったことを梓は何度も繰り返している。

「あはははんっ…あっ…はんっ…なんか暑い…あはははん…やっ…はんっ…やははははんっ…やっ…んっ…やああああんっ…」

「梓ちゃん、暑い?皆みたいにする?」

「あははははんっ…えっ…あっ…あはははんっ…えっえっ…」

くすぐったさに悶えながら店内を見渡す梓。他の場所でくすぐられている女性達は皆、いつの間にかシャツなどは身に纏ってはおらず、胸以外あらわになった上半身の素肌を男達にくすぐられていた。

「あはははんっ…えっえっ…これ…やははははんっ…どういう…やっ…はっ…はっ…はああああんっ…」

「くすぐられてると暑くなっちゃうから、ああする人も多いよ。梓ちゃんもそうしたくなったら言ってね。」

「はっ…はいっ…あはははははんっ…はあっ…はっ…はあっ…」

もちろん、こうなっているのには訳がある。そうさせるために、5月だがほんの少しうっすらと暖房をつけているのだ。

「はっ…はあっ…あはははんっ…あっ…あんっ…あっ…はあああんっ…」

迷う梓だったが、室温も暑く、身体も熱く、アルコールも回った状態で周りを見渡せば皆がそうしている。判断力が鈍らないはずもなかった。

「やっ…やははははんっ…あはあああんっ…あっ…ちょっ…私も…あははんっ…」

意思を聞いた男に拘束を外してもらった梓は他の女性と同じ格好になるべく、シャツの裾に手をかけた。


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