終点は

まだ暖かい掌を握って

5番ホームの弱冷車に乗る

冷えないように

冷めないように


遠く離れて帰る身は

こんなにもつらいんだね

「もうちょっと」の我儘は

鴨川の夜風に連れ去られた


未来のような夜の灯り

今も続く 僕らの幸せみたい

すれ違いに怯えた車窓には

頬杖ついた僕が映る


「いつか終わる」って

言わなければ良かった

君への励ましは

僕へのブーメラン


でも今は

大丈夫だよ

きっと信じてくれている

だから信じてあげなくちゃ


君が隣に居るだけで

「幸せだ」なんて言うくらい

僕があまりにも単純なことは

きっともう知っている


家まであと1時間

特急は足音を立てて

ほのかな八ツ橋の香り

まだ僕は揺られていたい




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