第1章
転生
目を覚ますとそこは森だった。
視界がなぜかぼやけているなか、豊かな自然だけは感じられた。
『異世界転生』
とっさにその言葉が頭をよぎり、自分の状態を確認しようとした。
だが、うまく動かせない体と、ぼやけている視界のせいで、体の確認は難しかった。
しかし、地下に埋まっているような感覚と、空気の動きでわかる体の輪郭などからどうやら自分は植物になったことが分かった。
(やったーーーー!!!)
口はなくしゃべることはできない。
しかし俺は、この状況を心の底から喜んでいた。
社会人になって、早十数年。代わり映えしない日常に飽きを覚えていた俺は、この非日常に心を踊らせていた。
しかし、転生した生物は、よりにもよって植物。その場から動けないし、弱いイメージしかない。
そんなものに転生した自分は、ただの日本人。本当に、第二の人生を、楽しく生きることができるのか。そんな疑問が湧いてきた。
そこで、ふと考えたのは子供の時の将来の夢だった。俺は最強になりたかったんだ。
マンガの主人公に憧れて考えた馬鹿げた夢だが、この世界なら本当に実現できるかもしれない。
せっかくなら、あの夢を叶えて見せようじゃないか。
この世界で最強になってやる。
そう決意した。
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