431  一人の女

もしもおれが

詩を書くこともなく

ただの音楽好きの

変わり者だったら

一人の女も

どうしてやる

ことも

出来なかった


おれにもしも

何の才能もなく

作家と言う

肩書きすら

無かったら

一人の女を

どうしてやることも

出来なかった


おれがもしも

英語が喋れること

ぐらいしか

取り柄が無い

男だったら

一人の女を

どうしてやることも

出来なかった


おれがもしも

詩を書くこともなく

将来の展望も

夢も希望も

無い男だったら

一人の女を

どうしてやることも

出来なかった

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