異世界なんです信じてください
espo岐阜
【起業編】どうやら異世界転移したらしい【第一話】
1:名無しなんだ信じてくれ
電車で寝落ちして目が覚めたらスレタイ
2:名無しなんだ信じてくれ
妄想乙。解散
3:名無しなんだ信じてくれ
どこから書き込んでんだ
4:名無しなんだ信じてくれ
妄想にしてももう少し設定を煮詰めてから来い
5:名無しなんだ信じてくれ
>>2
>>3
>>4
本当なんだ信じてくれ
ちなみに今はスマホから書き込んでいる
なんで通じるのかはわからんし充電もぜんぜん減らない
6:名無しなんだ信じてくれ
ならせめて証拠くらい貼れ
本当に異世界ならなんかそれっぽい建物くらいあるだろ
7:名無しなんだ信じてくれ
剣とか魔法とかないんか
8:名無しなんだ信じてくれ
いやなんかこの異世界……異世界?
一般的な異世界のイメージよりだいぶ科学が発展してるっていうか、部分的に現代日本レベルなんだよね
車もバイクも走ってるし、みんなスマホ持ってるし、ノートPC持ち歩いてる人もちょいちょい見かける
9:名無しなんだ信じてくれ
やっぱ嘘じゃねーか
10:名無しなんだ信じてくれ
むしろその状況でなんで異世界だと思ったんだよ
11:名無しなんだ信じてくれ
いやだってケモ耳と尻尾と翼が生えてる美少女が魔法使ってるしな……
なんもないとこに魔法陣うかべて温度のある火の立体映像とか出せるくらい科学って発展してたっけ?
だったらごめん、俺の勘違いだわ
12:名無しなんだ信じてくれ
待て待て待て情報が多い
ケモ耳と尻尾と翼の魔法少女ってなんだ。ケモ耳つけたサキュバスってこと?
13:名無しなんだ信じてくれ
ケモ耳サキュバスの美少女はワンチャン単なるコスプレかもしれん
でもその後がなんかもう……なに? ケモ耳魔法少女ってこと?
14:名無しなんだ信じてくれ
おそらくそうきっとそう。写真撮っていいか聞いてみる
15:名無しなんだ信じてくれ
>>14はイッチか?
とりあえずコテハンつけろ
16:名無しなんだ信じてくれ
このイッチ割と行動力あるな
17:名無しなんだ信じてくれ
でも第三者的にはケモ耳サキュバスの美少女に写真撮っていいか訊ねる不審者なんだよな
18:名無しなんだ信じてくれ
ポリスメン呼ぶ準備しとくか……
19:異世界社畜
あわやポリスメン案件だったが無事に成し遂げた
コテハンこれでいいか? 転移直前までブラック企業で働いてたからな
あ、これ写真ね
【ライオン耳コウモリ羽サソリ尻尾の少女が出した炎で紙を燃やしている>>1の画像】
20:名無しなんだ信じてくれ
そうそうこういう感じのサキュバス……サキュバス?
21:名無しなんだ信じてくれ
マンティコアじゃねーか!
22:名無しなんだ信じてくれ
確かにケモ耳だし尻尾あるし翼も生えてるけど全部違う動物の部位とは思わないじゃん……
23:名無しなんだ信じてくれ
見た目については後でイッチを説教するとして、確かに紙が燃えてるな……
24:名無しなんだ信じてくれ
ちなみにこのマンティコア娘にはなんて言って写真撮らせてもらったの?
25:名無しなんだ信じてくれ
ちゃんと合意の上での撮影だろうな?
26:異世界社畜
普通に「突然すみません、さっきの魔法なんですけど写真撮らせてもらっていいですか」って聞いたよ
まぁ最初は怪しまれたけど今までほとんど魔法を見たことがないからってことでお願いしたらOKもらえた
27:名無しなんだ信じてくれ
ならまぁええか
28:名無しなんだ信じてくれ
イエス撮影ノータッチの鉄則を忘れるな
29:名無しなんだ信じてくれ
でもまぁマンティコアでびっくりはしたが確かに可愛かったな
30:名無しなんだ信じてくれ
ラノベならここからラブコメ的なイベントが起きるんだがな
31:異世界社畜
あ、もう移動しちゃったからそういうイベントはないです
32:名無しなんだ信じてくれ
はーつっかえ
33:名無しなんだ信じてくれ
そんなんだから異世界に流刑にされるんやぞ
34:名無しなんだ信じてくれ
異世界流刑者にコテハン改名しろ
35:異世界社畜
よしわかった。今知り合った美少女の写真と話はナシの方向でいいな?
36:名無しなんだ信じてくれ
すまんかった
37:名無しなんだ信じてくれ
早くしろ寒いだろ
38:名無しなんだ信じてくれ
服着ろ
39:名無しなんだ信じてくれ
ていうかこいつ数分歩いただけでまた美少女とエンカウントしてね?
40:名無しなんだ信じてくれ
どうやら残ったネクタイの使い道ができたようだな
41:名無しなんだ信じてくれ
締め〇されるのめちゃくちゃ苦しかったぞ
42:名無しなんだ信じてくれ
>>41
成仏してクレメンス
43:異世界社畜
なんか仕事が取れなくてお腹すいてたみたいだからカバンに入ってたチョコあげたら懐かれた
でも確かに今すぐ元の世界に帰れるわけでもなさそうだし、先立つものは必要だな
【満面の笑顔でチョコウェハースを齧っている金髪の美少女の画像】
44:名無しなんだ信じてくれ
ハムスターかな?
45:名無しなんだ信じてくれ
警戒心の欠片もない
46:名無しなんだ信じてくれ
「お手」って言ったらお手しそう
47:名無しなんだ信じてくれ
でもこれ写真の角度的にイッチよりだいぶデカくない?
48:名無しなんだ信じてくれ
絶対190センチ以上あるだろ
49:名無しなんだ信じてくれ
美少女には違いないし犬系の雰囲気はあるんだけどあまりにも巨人
50:異世界社畜
俺自身184cmだからたぶんこの子2メートル以上あるよ
51:名無しなんだ信じてくれ
デッッッッッッ
52:名無しなんだ信じてくれ
2メートルでこの愛嬌はもはや奇跡でしょ
53:名無しなんだ信じてくれ
見知らぬ男にもらったお菓子でこんな無邪気な笑顔しちゃう2メートル越えの美少女がそこらへんに落ちてる世界なら間違いなく異世界
54:名無しなんだ信じてくれ
嫌なところで確証出ちゃったな……
55:異世界社畜
とりあえず寝泊まりできる物件探しとこの子の食費稼ぎに付き合うことになった
56:名無しなんだ信じてくれ
なんで?????
57:名無しなんだ信じてくれ
物件探しはわかる
お金を稼がなきゃいけないのもわかる
なんでその子の食費???
58:名無しなんだ信じてくれ
美少女はペットじゃないんだぞ
59:異世界社畜
いや、今気づいたんだけど俺なんか変な能力もってた
60:名無しなんだ信じてくれ
異世界系ラノベにありがちな展開きたな
61:名無しなんだ信じてくれ
お決まりのチート能力か
62:名無しなんだ信じてくれ
ここからイッチの俺TUEEEが始まるわけだな?
63:異世界社畜
いや期待させて悪いんだけどたぶんそういうのじゃない
ていうかこれのせいでこの子の食費稼ぎに付き合うことになった
64:名無しなんだ信じてくれ
??????????
65:名無しなんだ信じてくれ
チート能力と他人の食費稼ぎにどんな因果が……?
66:異世界社畜
ごめん確証がないからちょっとだけ試す時間もらっていい?
67:名無しなんだ信じてくれ
はよしろ
68:名無しなんだ信じてくれ
いやまぁチート能力なら自覚と把握はジッサイ大事
69:名無しなんだ信じてくれ
でも口ぶりからしてほぼ把握してそうな感じあったよな
70:名無しなんだ信じてくれ
確信がほしいだけっぽいしな
71:異世界社畜
うん、思った通りだ
全然使えない能力だった
72:名無しなんだ信じてくれ
草
73:名無しなんだ信じてくれ
戻って早々ガッカリ感のよく伝わる二行だ
74:名無しなんだ信じてくれ
で、どんな能力だった?
75:異世界社畜
「無からお菓子を作れるけど材料代が俺の財布から差っ引かれる能力」
76:名無しなんだ信じてくれ
ファー―――――wwww
77:名無しなんだ信じてくれ
草草の草
78:名無しなんだ信じてくれ
ド無能
79:名無しなんだ信じてくれ
材料代ってことはコンビニで買った方が安いやつでは???
80:名無しなんだ信じてくれ
一般的なショートケーキでさえ材料費だけで1000円はかかるぞ
81:名無しなんだ信じてくれ
ヒェッ
82:名無しなんだ信じてくれ
え、嘘でしょ……?
83:名無しなんだ信じてくれ
材料費+労働賃金(時給×労働時間)+ガス・水道・電気代
ここにパッケージなどの諸々を足したのが本来の「ケーキ1個にかかる費用」だぞ
84:名無しなんだ信じてくれ
コンビニスイーツってもしや神なのでは……?
85:名無しなんだ信じてくれ
ケーキ様……
86:名無しなんだ信じてくれ
え、じゃあイッチこれ材料費だけでもバカにならんのでは?
87:異世界社畜
ならんから今すぐ働くハメになってるんだ
88:名無しなんだ信じてくれ
こいつ、さてはさっきの子に追加のお菓子作って渡したな……?
89:名無しなんだ信じてくれ
お前”男”だよ……
90:異世界社畜
それはそれとしてこの子めちゃくちゃ強い
なんか水色のデカいサルみたいなモンスターを真っ二つにしてる……
え、これ俺ここに同行する意味あった?
91:名無しなんだ信じてくれ
お前はもうちょっと情報を小出しにする努力をしろ
92:名無しなんだ信じてくれ
一気にぶち込むな混乱する
93:名無しなんだ信じてくれ
めちゃくちゃ強いのはまぁ、体格的にそうだろうなという気はする
水色のデカいサルみたいなモンスターってなんだ
あとたぶんお前はいてもいなくても変わらん
94:名無しなんだ信じてくれ
>>93
有能
95:名無しなんだ信じてくれ
>>93が言いたいことを全部言ってくれた
96:名無しなんだ信じてくれ
実際ちょいちょい「巨大化は敗北フラグ」なんて言うけど普通はデカけりゃ強い
97:名無しなんだ信じてくれ
それはそう
98:名無しなんだ信じてくれ
小手先の技術なんて圧倒的なサイズとパワーの暴力の前では無いのと同じなんだ
99:名無しなんだ信じてくれ
でも水色のデカいサルは本当になんなんだ
100:名無しなんだ信じてくれ
水色のデカいサルだろ
◆
彼女――パトリシア・カレンとの出逢いは、決して劇的な美しさのあるものではなかった。というか、行き倒れのような彼女に餌付けをする、というあまりにもあまりなものだった。
しかし、彼女に与えたチョコウェハースと、私が自らの能力を把握するために生み出した
彼女のために作ったお菓子代のため、と二人で共に受けた任務で、私の出番は無いに等しかった。
2メートルを超える彼女の巨体から繰り出された豪快な一撃は、ほとんど鉄塊と呼んで差し支えないほどに巨大な剣の特性をよく活かした剛の剣と呼ぶべきもので、ともすれば女性的な印象とはかけ離れてしまいかねないにも関わらず、彼女の所作には一切の無駄も無暗な暴力もなく、剛でありながらも美しさと繊細ささえ感じ取れるほどだった。
彼女の前に立ちふさがる水色の体毛を持つ巨大なサル……後で聞いたところによれば『モンティ』という種族のモンスターであるらしいそれは、5頭ほどの群れを成して私たち二人の前に現れた。大人しければ可愛らしさも見出せただろうが、彼らは既に数件の家畜を攫って食べてしまった恐るべき脅威であり、私もパトリシアもこれらに対する慈悲の心までは持ち合わせておらず、パトリシアの剣に錆すら残せないまま散って逝った。
「すごい……。やっぱり強いね、パトリシアは」
「いいえっ! なんかいつもより体が軽くて調子がよかったのでっ!」
「そっか。じゃあとりあえず獲物の尻尾を切り取って街まで報告に戻ろう」
獲物の種類と数とサイズは、そのモンスターの身体の一部を刈り取ることで証明となるらしい。
掲示板では『ギルドのようなものがあるのか』と訊かれたが、こちらでは『傭兵労働組合』という名前だ。似たようなものだろう、とは思う。
この傭兵労働組合とは別に、民間傭兵派遣会社であったり、人材派遣会社の業務内容に傭兵業が含まれていたりと、パッと見ただけでは現代日本と見紛うこの街が、紛れもなく私が元居たあの平和な世界ではなく……アトラピアと呼ばれるこの星の、アルカ共和国というこの国の、ユーティアという異世界の街なのだと痛感する。
「でも、これでよくわかったよ。君の言う通り、この世界では女性の方が強いんだね」
「でしょっ! まぁわたしからすると、男の人の方がパワフルな世界? っていう方があんまりイメージ湧かないんだけどねっ!」
「あはは……それもそうだね。私も昔は運動部だったし、それなりに鍛えてたつもりだったんだけどなぁ……」
この世界の女性は強い。権力とか立場が、みたいな話じゃなく……物理的に。
今こうして「いぇーいっ!」なんてハイタッチをするパトリシアの手は紛れもなく女性的な柔らかさがあるのに、彼女によれば「女同士が本気で斬り合っても指を落とすのは無理かな。出血はするかもしれないけど。矢はまぁ先端がちょっと刺さって痛いけどそのままぽろっと落ちるよ。矢の先が全部埋まるとことか見たことない。魔法で焼かれるのはまぁ熱いかな。軽い火傷くらいするよ」と……もはや別の生き物レベルで男女の身体的ステータスが異なっているらしい。
これももちろん掲示板に書き込んだけれど、やっぱり私と同じような反応だった。中には「それ本当に人間の話してる? 別の種族じゃなくて?」というレスもあったのでパトリシアに改めて聞いてみれば、「人間だよ?」と不思議そうに返されたのち「魔族はちょっと種類によるから全部は説明できないけど、獣人族ならもっと頑丈だけど魔法に弱いし、エルフなら魔法じゃあんまり怪我しないけど剣とか弓では怪我しがちだし、機核族なら頑丈で魔法にも耐えられるけどそもそも戦場向きじゃない」と言っていた。
けれど、私が一番驚いたのはその後だったかな。なんせ――、
◆
300:異世界社畜
ぅゎ人類っょぃ
301:名無しなんだ信じてくれ
どうしたいきなり
302:名無しなんだ信じてくれ
魔族とか獣人とかいる世界で人類が強いわけねーだろ
303:名無しなんだ信じてくれ
あれじゃね、他の種族より科学が発展してて武器が強いとか策略が狡猾とかそういう
304:名無しなんだ信じてくれ
あー確かに
305:名無しなんだ信じてくれ
異種族モノの人類ちょっと性格悪いとこあるよね
306:名無しなんだ信じてくれ
言うほどちょっとか???
307:異世界社畜
いや、なんかフィジカル的に最強らしいんだわ
308:名無しなんだ信じてくれ
??????
309:名無しなんだ信じてくれ
どういう……ことだ……?
310:名無しなんだ信じてくれ
説明しろ。俺たちにはそれが必要だ
311:名無しなんだ信じてくれ
確か魔族は種類によるけど獣人は人間より丈夫でエルフは人間より魔法耐性が高いんだよな?
それでなんで人間が最強になるんだ
312:異世界社畜
パトリシア曰く「弱点が無いから人間が最強」らしい
つまり獣人より魔法耐性があってエルフより頑丈で、それでいて使える武器に偏りもない
なんでも使えてなんでも耐えてその全部が高水準っていうのがこの世界の「人類」らしい
313:名無しなんだ信じてくれ
一芸Sランクより全ステAAAランクの方が強いみたいな話か
314:名無しなんだ信じてくれ
まぁ言われてみれば物理も魔法も耐えて相手の苦手な攻撃手段も適宜選べるならそりゃ強い
315:名無しなんだ信じてくれ
だが魔族なら……魔族ならなんとかしてくれる……!
316:異世界社畜
魔族はステ最弱というか、劣化人類みたいなステータスらしいぞ
代わりに魔族しか使えない独自の技能とかがあるから国家種族として成立してるらしいが
317:名無しなんだ信じてくれ
国家種族っていうのは?
318:名無しなんだ信じてくれ
新しいワードを気軽に生やすな
319:異世界社畜
この世界、国によってどの種族が暮らしやすいみたいな傾向があって、基本的にどの国とも表面上は仲がいいみたいなんだよね
ただ、それは種族国家ごとに出来ることとできないことがあるから協力し合って頑張ろうねってことで、利害関係の上に成り立つ平和なんだって
320:名無しなんだ信じてくれ
つまり魔族の場合、魔族にしか使えない独自の技能とやらが貿易や国際交流における最大の交渉材料になるってことか
321:名無しなんだ信じてくれ
じゃあ他の種族は?
322:異世界社畜
獣人族が多く暮らすビスティ王国は石材や木材といった天然資源が豊富。宝石や魔鉱石の採れる鉱脈も多い
エルフ族がたくさん居るグリマ魔法国は魔法開発やエネルギー開発が盛んでその研究成果の一部を全世界に共有してる
機核族がほとんどのマキニカ帝国は機械産業が盛んで特に量産化技術が高いものの、一部パーツの精度はやや人類に劣るらしい
魔族しかいないデモニア皇国は【魔魂術】と呼ばれる独自の魔法技能について研究成果の一部を全世界に共有してる
人類が大半を占めるアルカ共和国は医療・通信技術が発達しており全世界にその技術を提供してる
323:名無しなんだ信じてくれ
見ただけの印象だとグリマとデモニアは共同研究とかしてそう
エルフ族と魔族が仲いいかどうかは知らんけど
324:名無しなんだ信じてくれ
生産ルート的には「ビスティで採掘してアルカでパーツ作ってマキニカで組み上げる」のが最高っぽい
325:名無しなんだ信じてくれ
天然資源が豊富なビスティは貿易的に強そう
グリマとかデモニアみたいな研究成果の共有は特許的な?
326:名無しなんだ信じてくれ
マキニカの量産化技術も技術発展においては必須だよな。一部パーツの精度が人間に劣るってのはちょっとアレだが
327:名無しなんだ信じてくれ
現代日本においても職人技によって造られた精密パーツは機械技術が発展すればするほどその技術練度のエグさが露呈するとまで言われてるから不思議ではない
328:名無しなんだ信じてくれ
ああ、一部の精度って職人技のことか……
329:名無しなんだ信じてくれ
これは機核族は泣いていいよ
330:名無しなんだ信じてくれ
人間くんたまに変態レベルの謎技術力で数年後には再現不能なオーパーツ作るからな……
331:名無しなんだ信じてくれ
職人技は後継者がいないとすぐオーパーツ化する……
332:名無しなんだ信じてくれ
で、バストサイズランキングは?
333:名無しなんだ信じてくれ
とりあえずパトリシアちゃんは背の割に小さかったからアルカ共和国は……
334:名無しなんだ信じてくれ
そんなこと言ったらたぶん機械の体と思われるマキニカが最強じゃねーか!
335:名無しなんだ信じてくれ
でもマキニカの国民ほぼ機核族でしょ?
そういう欲求というか大小のこだわり無さそう
336:名無しなんだ信じてくれ
おしえてイッチ!
337:異世界社畜
知らんし興味ないし聞けるわけないだろパトリシアにこんなこと!
338:名無しなんだ信じてくれ
ケッ、ヘタレが!
339:名無しなんだ信じてくれ
ペッ、使えねーな!
340:名無しなんだ信じてくれ
一気に治安がゴミカスになってて笑う
341:名無しなんだ信じてくれ
興味ないわけねーだろこのムッツリめ!
342:異世界社畜
俺は胸より身長派なんだよ!
343:名無しなんだ信じてくれ
おっと急に鋭角的な性癖が剛速球で襲ってきたぞ???
344:名無しなんだ信じてくれ
まぁ待てイッチ、ここからは互いに冷静に話し合おう
大丈夫だ我々は敵ではない。……今はな
345:名無しなんだ信じてくれ
で、(身長が)小さいのとでかいのどっちがいいの?
346:異世界社畜
……でかい子が好みです
347:名無しなんだ信じてくれ
パトリシアちゃん逃げてええええええええええええ!!
348:名無しなんだ信じてくれ
マジかこいつ……自分の性癖ドストライク美少女を前にしてよく精神もってんなこいつ……
349:名無しなんだ信じてくれ
いやでも高身長好きっつっても限度というかストライクゾーンに限りがあるだろ……
イッチの許容範囲と直撃範囲は?
350:異世界社畜
190cm~300cmが許容範囲で直撃ど真ん中は200cm~240cmです……
351:名無しなんだ信じてくれ
パトリシアちゃんは?
352:異世界社畜
本人曰く210ちょいらしいです……
353:名無しなんだ信じてくれ
ポリスメェー―――ン!!
354:名無しなんだ信じてくれ
お前よくもってんなホントに!!
355:名無しなんだ信じてくれ
こっちの世界じゃ絶対に満たされることのなかったド級の性癖を完璧に満たす美少女にあんだけ懐かれて理性を保ってるお前はすごいよ
あ、もしもしポリスメン?
356:異世界社畜
正直パトリシアから「巨人系の魔族の血が入った子なら私くらいの背の人はけっこういるよっ!」って聞かなければ危なかった
357:名無しなんだ信じてくれ
なんだその長身フェチの楽園みてーな世界は
358:名無しなんだ信じてくれ
実際パトリシアちゃん以外に見た?
359:名無しなんだ信じてくれ
そういえばマンティコア女子もいたし人間が多いつってもアルカ共和国内に他の種族がいることもあるんだよな
360:異世界社畜
今ちょうど街に戻ってきたけど確かにいるね、明らかに2メートル以上ある女性
肖像権的にまずいだろうから写真はやめとくけど、なんなら3メートルくらいの人もいる
361:名無しなんだ信じてくれ
3……メートル……?
362:名無しなんだ信じてくれ
八尺様でも八尺しかないのに……?
363:名無しなんだ信じてくれ
八尺「しかない」ってなんだ。八尺って240センチだぞ
364:名無しなんだ信じてくれ
240ってことはイッチのド直球ゾーンにギリ収まってんじゃねーか
365:異世界社畜
八尺様いいよね……
最初あの都市伝説みた時めちゃくちゃ羨ましくて血涙でた
366:名無しなんだ信じてくれ
八尺様に興奮して血涙出してるヤツの方が八尺様よりホラーだろ
367:名無しなんだ信じてくれ
八尺様を怖がらすな
368:名無しなんだ信じてくれ
ちょっと男子ー! 八尺様泣いちゃったじゃーん!
369:異世界社畜
やめとけ女子。泣いてる八尺様なんて俺を興奮させるだけだぞ
370:名無しなんだ信じてくれ
こわ……
371:名無しなんだ信じてくれ
ガチじゃん
372:名無しなんだ信じてくれ
本気の変態の片鱗を見せるな
373:名無しなんだ信じてくれ
そんなイッチのために一曲
「みあ~げて~ごらん~」
374:異世界社畜
バチクソ好みの身長した美少女に不思議そうな表情で見下ろされてる……
アッやめてやめて俺が見上げたのに気づいただけでそんな嬉しそうに笑わないで浄化され――
375:名無しなんだ信じてくれ
悪は滅びた
376:名無しなんだ信じてくれ
でかいワンコの笑顔は無敵だってみんな知ってるね?
377:名無しなんだ信じてくれ
パトリシアちゃんやっぱ犬だよね……
378:異世界社畜
【心配そうにしながらギャン泣きするパトリシアの動画(20秒)】
379:名無しなんだ信じてくれ
飼い主が急に倒れて心配そうにウロウロするゴールデンレトリバーじゃん
380:名無しなんだ信じてくれ
録っとる場合かーッ!!!!
381:名無しなんだ信じてくれ
可愛い女の子を泣かすとは……キサマ腹を切る覚悟はできておろうな?
382:名無しなんだ信じてくれ
介錯は任せろ
383:名無しなんだ信じてくれ
パトリシアちゃん思ってたより声高いな
384:名無しなんだ信じてくれ
体格的にもうちょっと低めのイメージだったけどけっこう幼い声してるんだね
385:異世界社畜
声変わりまだ来てないらしいからね
386:名無しなんだ信じてくれ
あ、そうなんだー……えっ?
387:名無しなんだ信じてくれ
ちょっと待て。いやホントちょっと待って???
388:名無しなんだ信じてくれ
え、パトリシアちゃん今いくつ……?
389:異世界社畜
先月14歳になったとこだって
390:名無しなんだ信じてくれ
ポリスメ……ジャッジィー―――ッ!!
391:名無しなんだ信じてくれ
裁判官呼ばれてて草
392:名無しなんだ信じてくれ
法廷が来い
393:名無しなんだ信じてくれ
むしろ14歳が行き倒れてるのだいぶヤバくないか……?
394:名無しなんだ信じてくれ
一周廻って不審者枠がイッチでよかったまである
395:異世界社畜
まず不審者枠じゃなくて親切なおじさん枠なんですよ
396:名無しなんだ信じてくれ
そこについてはまた別の審議が必要になりますね
397:名無しなんだ信じてくれ
14歳ならあの控えめな体型も納得というもの
398:名無しなんだ信じてくれ
2メートル越えって言うほど控えめか……?
399:名無しなんだ信じてくれ
身長の方じゃねーよ!!!!
400:名無しなんだ信じてくれ
お前ら忘れてるかもしれないけどそもそも14歳の体型について言及する時点でだいぶキモいからな?
◆
「便利屋……ですか?」
「ああ。さっき傭兵労働組合で色んな仕事を見させてもらったが、やはり傭兵個人が依頼の受注から実行、報告まで全てこなすのは時間的にも体力的にもコストが大きい。そこで、依頼の受注とブリーフィング、そして報告を行う事務担当と、その依頼を実際にこなす実務担当を切り分けた方が効率的だと思ったし……何より、初動が自由だというのは起業最大のメリットだ。もちろん業務としても収入としても不安定さと引き換えだが、君さえよければ……君が私の会社【プリサイスアローズ】の最初の社員にならないか?」
正直、合理的な理由を10並べれば、それを捻り潰すような20のデメリットが湧いて出るのが『起業』というものだ。
だとしても、私はこの世界で生き抜くために同じ理念の会社を探すのではなく、自分の会社を持ちたかった。
やることは人材派遣会社みたいなものだ。傭兵業もその業務に入っているが、それもこの世界では珍しくない。だが……私の立ち上げる会社は『便利屋』でありたい。
ただ優秀な人材を揃えて必要なところに必要な人間を送るのではなく、顧客が「便利」に使いやすい、気軽で身近な会社にしたい。
そのために……彼女の、パトリシアの愛嬌は不可欠だ。
どうか、私のこの手を握り返してほしい。
「…………」
「やはり、出逢ったばかりの私では信用に足らないか?」
戸惑うような彼女の表情と、差し伸べた手にどうすべきかわからないというような、胸元に握りしめた彼女の両手。
けれど彼女は、ほんの少しの逡巡を経て、差し伸べた私の右手を両手で包み、あの無邪気な笑顔を向けてきた。
「……ううん。いいよ、やる! わたしもやるよ、便利屋! また路頭に迷うのもイヤだし……それに、タヅナさんのお菓子また食べたいからねっ!」
まるでお菓子で釣ったみたいで、少しだけ私の笑いも苦くなるけれど、それでも今はこの繋いだ手が頼もしい。
◆
521:異世界社畜あらため異世界社長
起業したわ
522:名無しなんだ信じてくれ
待 て や
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