ごちゃまぜちゃんぷるー。

新佐名ハローズ

第1話 俺には三分以内にやらなければならないことがあった。

 

 

 俺には三分以内にやらなければならないことがあった。


 独身趣味無しの結果溜まった貯金で一念発起して住宅の内見をしに行ったらその部屋に変な箱があって、興味本位で開いたらどこかへ吸い込まれ、何が何やら分からない内に辿り着いた街にあった『止まり木のささくれ亭』って変な名前の宿で出会った変な女と行動を共にするようになり、いつの間にか「はなさないで」とか言われて男女の仲になったと思ったら、私の本名はサトリア・エズ・モルド・デ・ヴァエルトでヴァエルト王国の第三王女だとバラされ、ありえねーとか驚く間もなく後に『無色革命』と呼ばれるとんでもない陰謀にガッツリ巻き込まれる。


 あ、ちなみに彼女はメガネ属性で俺の好みドンピシャでした。


 そんな諸々を上手いこと乗り越えて俺はサトリアと結ばれ、めでたく子供が出来てさあ生まれるぞと慌ててる所に例の変な箱が再び現れて今度は絶対触らんぞと無視したにも関わらず、その箱の方から勝手に開いてまたあの時と同じように吸い込まれ、気がついたら元の内見していた住宅に(今までの時間をガン無視して)戻ってきていた。


 いやいやいや、もう内見どころじゃねぇんだって。こちとらもうすぐ子供が生まれんの! 向こうでサトリアが産気づいてんだよ。


 あっちの世界に戻せこのク◯箱が!と変な箱を引っ掴んで締め上げたら『イタイイタイ! ヤメロ~!』と声がして箱だったものが三十センチぐらいのゆるキャラタヌキみたいなヤツに。


 どうやらこいつは妖精の一種らしく、たまたま繋がった妖精回廊で俺はサトリアのいる世界へ飛ばされたらしい。


 気まぐれで飛ばした人間を見に行ったら楽しそうにしてるから呼び戻してやっただのと抜かすんで、各種ステータス爆盛りの力技でク◯妖精タヌキを支配下に置き、親玉の大精霊に落とし前をつけさせ内見した住宅を基点に向こうへの常設回廊を繋げてサトリアの元へと無事帰還した。



 その間計三分。父親舐めんな!(娘は超カワイイ)

 

 

 

 

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