166 詩神たち

おれが中学生だった頃

初めて音楽の

良さに

目覚めたのが

ちょうどアメリカで

MTV が

開局した

80年代だった


その頃に

流行っていたのは

他愛もない

産業ロックに

産業ポップスが

主流だったが

それでも

おれは

夢中になって

毎日のように

テレビで放映されていた

プロモーションビデオを

観たり

ラジオで

かかっていた

音楽を

聴いていたり

していた


その頃の

おれにとって

音楽は

神聖な

モノであり

音楽を

演奏している

ミュージシャンたちは

神にも近い

存在だった

おれは少しでも

神に近づきたかった


あの当時

子供だったおれは

今では

すっかり大人に

なってしまったが

今では

おれ自身が

神にも近い

存在だ


人間は

誰もが

子供から

大人へと

成長していくが

おれの魂の

成長は

まだ続いている


もう誰にも

おれの成長を

止めることは

出来ないんだろうな





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