76 紙の書籍とCD

その昔

おれは街中に

至る所にあった

本屋や図書館や

CDショップを

アテもなく

ブラブラと

練り歩いたことが

あった


あの当時

おれは紙の書籍や

CDの文化が

永遠に

続くかのように

思っていた

現在のように

ネット文化が

花開くことに

なろうとは

想像すら

してなかった


おれはかつて

何の目的も

アテもなく

一人で

街の

至る所に

あった

本屋や

図書館や

CDショップを

練り歩いた


おれはまだ若くて

現在のような

ネットの時代が

来るなんて

考えもしなかった

本とCDの時代が

永遠に

続くかのように

思っていた


おれはまだ若くて

おれには

未来なんて

何にも無かった

ただ時間だけは

たっぷりあった

おれは時間が

許す限り

一人で

本屋や

図書館や

CDショップを

渡り歩いた


それがおれの

真っ暗な

青春時代だ







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