第29話 一旦、外に出たら
食物ダンジョンの十五階、三人で無双しまくった。
デスビーの巣をバリアで何重にも囲って、空気を抜きながら、上級薬草の採取をする。
「ゲッ、まだ攻撃してくる!」
デスビーの女王蜂の生命力、強すぎる! 最初は、ビビっちゃったけど、何回か目になると慣れてきた。
でも、バリアの張る数は減らさないけどね。
「デスビーの巣の下って、上級薬草が多い気がする」
ウハウハな気分で言ったら、二人に呆れられた。
「普通の冒険者なら、デスビーの巣に近寄らないからな」
「ガハハハ、そんな馬鹿なことをするのはアレクだけだ!」
やっと巣が消滅して、ドロップ品がバタバタ落ちた。 それをアイテムボックスに収納して、ひと休憩。
「ここで夜を過ごすか、一旦、出るか決めなきゃな」
バリアを張って、エールを飲みながら話す。
「一旦、出たいな」
ジャスは、花からドロップした高級香料やチョコレートをプレゼントしたいんじゃないかな?
「私も、上級薬草をいっぱい採ったから、回復薬を作りたい。それに、そろそろ草原の風も帰ってくるんじゃないの?」
ルシウスも同意する。
「マジックバッグ中も作りたいよな! それができたらマジックバッグ小(劣)をオークションに出しても良い」
「うん? マジックバッグ小(劣)は二つあるから、一個は出して良いんじゃない?」
そう言う話だったと思うけど?
「オークダンジョンに行くメンバーに売ってやっても良いと思っている」
それって月の雫じゃないよね? ジャスは勿論だけど、ルシウスもあまり好きじゃないみたいだから。
「草原の風に売ってやるのか?」
まぁ、ジャスもそう思うよね?
「値段が折り合えばだけだな。オークションにかけた方が、お金は儲かるが、それだと冒険者が手に入れられるか分からないからな」
マジックバッグは、商人にも人気だからね。ルシウスは、ケチだけど冒険者にはマジックバッグが必要だと考えて優遇したいみたい。
私もお金は欲しいけど、金熊亭で泊まれる程度があれば十分なんだよね。
ただ、クランを作るためのお金は貯めなきゃいけないとは、考えているけどさ。
ジャスは、クランのお金を貯める前にルミエラちゃんを落籍するお金が必要みたい。
でも、宿屋暮らしでルミエラちゃんは大丈夫なのかな? まぁ、他人事なんだよね。
ダンジョンに篭っても、マジックテントがあるから、快適には眠れるけど、やはり宿の方が良い。
「よし! 一旦、外に出るぞ!」
リーダーのルシウスが決めたので、十五階のボス戦に突入だ。
うわぁ! ゴールデンベアが団体で十六階の前に居座っている。
ルシウスがやさぐれないと良いけど……。
「ゴールデンベアだけじゃ無さそうだぞ!」
ゴールデンベアの巨体に隠れて、花?
「花ならこれまでも出たじゃん!」
「あれは、ゴールデンフラワーだ!」
ルシウスがまたガックリしている。
頭の中で
「バリアと防御を強化しろ!」
花粉で精神錯乱させるだなんて、嫌な魔物だね。
ジャスが精神錯乱して、攻撃して来たら大打撃だ。
それに、ゴールデンベアは全力で攻撃しなきゃいけないし、嫌な組み合わせだよ。
「機械騎士にゴールデンフラワーの相手をさせている間に、ゴールデンベアを討伐しろ!」
相変わらず、
一頭は、ルシウスが風の剣で首を斬り、もう一頭はジャスが炎の剣で討伐した。
私は、残った二頭を
ゴールデンフラワーを押し留めていた機械騎士達だけど、ツルに絡め取られている。
「フラワー系だから、火に弱そうだ!」
ジャスが炎の剣で斬りかかるけど、花のくせに素早くかわす。
それどころか、精神錯乱の花粉が息をするのも躊躇うほど飛んでくる。
「防御! 防御! 防御!」
兎に角、ジャスやルシウスが精神錯乱したらマズい! 一発で死んじゃいそうだもの。
私は、防御を掛けまくって、攻撃は二人に任せる。
「機械ハチドリに攻撃させる!」
寒さにゴールデンフラワーは弱かったみたいで、少し萎縮したところをルシウスが風の剣で真っ二つにした。
「金色の蜜と香料?」
手こずったゴールデンフラワーなのにと、ルシウスはガッカリしていたけど、
「黄金の蜜……あああ、上級薬草と竜の肝と黄金の蜜で、エリクサー(劣)ができる! それと、香料も、若返り効果があるみたい」
ルシウスは、ゴールデンベアの黄金の毛皮がドロップしなかったのは、諦めて、ゴールデンフラワーの香料をオークションに掛けると興奮している。
十五階から十六階の間の転移陣で、一旦、外に出たけど……やはり、パンサーの復帰の噂で騒ついていた。
ジャスの叔母さんになるヘレンとちょくちょく顔合わせするのは困るなぁ。
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