第33話 清めの塩の伝説

星空のメッセージを解読した冒険から数週間後、温泉宿のスタッフとゲストたちは新たな発見に心を躍らせていた。今回の物語は、温泉宿の地下深くに隠されていた「清めの塩」にまつわるものだった。


この塩は、温泉宿の創立時に特別な儀式で使われ、宿を悪いエネルギーから守る力があるとされていた。しかし、長い年月が経過する中でその存在は忘れ去られ、誰もその場所を知らなくなっていた。


ある日、ミコトが古い日記を整理していたとき、その中から地下の隠し部屋の存在を示す手がかりを見つけた。興奮したミコトはレオとサラを誘い、その手がかりに従って地下の探索を始めた。


深い地下を進むにつれて、三人は古ぼけた扉を発見し、その扉を開けると小さな部屋が現れた。部屋の中心には大きな壺が置かれており、その壺の中からは微かに輝く塩が溢れていた。


この塩が「清めの塩」であることを確信したミコトたちは、この塩をどのように利用するかを考え始めた。サラの提案で、この塩を宿の新月の儀式に使用し、宿全体を浄化することに決めた。


新月の夜、宿のゲストたちも参加した特別なセレモニーが開催された。ミコトたちは清めの塩を宿の四隅に撒き、さらには温泉の水にも少量を加えた。参加したゲストたちはそれぞれ塩を手に取り、自分の身体や心が浄化されることを願った。


儀式が終わると、多くのゲストが心身ともにリフレッシュされたと感じ、その夜の眠りが特に深かったと報告した。清めの塩の効果か、宿全体に満ちる空気が以前よりもさらに清らかで穏やかに感じられた。


この儀式以来、清めの塩は温泉宿の重要な宝物として、特別な日や大切なイベントに使われるようになった。塩の伝説とその浄化の力は、宿を訪れる人々に安心と平和を提供し、温泉宿の新たな魅力として語り継がれることになった。

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