第5話
夜月は1人では解決できないと感じ、同じ部活に所属する氷室に電話した。
「氷室〜。どうしよう。」
「どうした〜」
「今さあ女子寮生がどんどん死んでるじゃん。それ、私が解決しないといけない。」
「あー。お疲れ様。」
こいつにこう言われるのはもう慣れた。最初はいつも冷たいけど、本当は優しくていいやつ。
「てかさ。これってどういう状況?なんか今日も橘が倒れたとか。」
「そう。心肺停止っていわれたから。」
「それって、やばいじゃん。」
「やばいとか一言ではいえないよ〜」
「そうだなあ〜」
携帯からゲーム解説の動画の音がする。
「おい、ゲーム実況見てんじゃねえよw」
「はぁ〜?」
沈黙。いや実におもしろ、、くない。
「夜月〜。」
「何?」
「そういえば女子寮生って15人だっけ。」
「16人です。」
何で今頃?
「で、亡くなったの、2人?」
「そう。」
結局、こいつ役に立たないw
諦めてゲーム実況の話をして電話を終えた。
ふと、気になることが2点出てきた。
1つは今田さんが窒息死では無い可能性が出てきたこと。これは新木さんが言ったこと。
2つ目は氷室が女子寮生の人数を15人と言ったことだ。あいつはそうそうそんな数字を間違って記憶しない。そんなあいつが、、、。
今思えば、女子寮生は15人だった気もする。でも、名前を数えると16人。
まさか、記憶違い?いやまさか2人で記憶違いとかそんなわけないし。
仮に15人だったとすると誰が1人増えたのか。
夜月は「本当はいないはずの誰かが増えた」という仮説を立てた。
だけど誰かが増えるのと、人が死ぬのは関係が程遠い。
それとも関係があるのか。
夜月にはまだ何もわからなかった。
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