おっさんと女子高生
あに
第1話 ダンジョン
20XX年、春、東京。
「おい!おっさん邪魔だ」
「あっと、すいません」
「っとによ!」
えー、私が主人公の
歳は今年で38歳になりますね、はい。
世間ではダンジョンとやらが出来ていてダンジョン産業がとても好景気なのですが私の会社はブラックなのでその好景気とやらにあやかれずにいます。
まぁ、もう諦めましたけどね。
それでは私のステータスですが、
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レベル5 職業 封印中
スキル 封印中 封印中
ユニーク 封印中
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あはは、何のこっちゃ分かりませんよね?
封印とはなんぞや?
レベル5までは上げたのですがいやはや、体力の限界でして。
そのままズルズルとここまで来てしまいました。
さて、満員電車に揺られながら会社まで行くのが普通です。
おっと!揺れがひどいですねって、えっ?目の前が真っ暗になりましたよ!あぁこれは私が死んじゃうんですかね?もしかしたらもう死んでしまって、
「おじさん!おじさん!おきろっつーの!」
「…えっ!やった!死んでないですね!」
「やっと起きたか!周り見て見ぃ?」
「う、うわっ、なんですかここは?」
トンネルのようなでも穴と言った方がいいような…。
「多分ダンジョンでしょ?おっさんスキルは?」
「わ、私のスキルは封印中なんですよ!」
「え?まじで?使えないじゃん!」
「そうなんです!使えないのにこんなところに来てしまったのです」
あぁ、自分が情けないですね。
「しゃーない!私についてきて!」
「貴女は?」
「私は剣士だから何とか一緒に出よう!」
女の子は剣を持っているので何となく出れる気がしますね!
「は、はい!」
こんな可愛らしい子に守られるなんてますます情けないですね。
「おっさん!頑張るよ!」
「はい!頑張ります!」
とは言ったものの助けられてばかりでごめんなさい。
「とりゃ!」
「えい!えい!」
私はカバンが武器です!
「よし!倒したね!」
「はい!お疲れ様です!あっそうだ、これどうぞ」
私はお茶のペットボトルを差し出す。
「おっさんのじゃん」
「いいえ。私は汗なんかかいてませんし飲んでください」
「いいの?んじゃ貰うね!」
「はい!」
「ぷはぁ!生き返ったよ、おっさんも飲みな」
「いえ、貴女の飲み掛けなんか私が飲んだら捕まっちゃいますよ」
「あはは!こんな時だし飲みなって!」
「は、はい」
私はできるだけ口をつけないように一口飲むと蓋をする。
「あはは!気を使いすぎだって!まぁ、それがいいけどね」
「あはは、ただのおっさんですから」
「んじゃ、先に進むよ!」
この方は剣を持って通勤していたのでしょう。高ランクの冒険者なのでしょうね。
「おりゃ!」
「えいえい!」
「おっさんのカバンボコボコじゃん!」
「あはは!安物ですから大丈夫です!」
本当はそれなりにしたものですが、そんなこと言っていられません!彼女が頑張って倒してくれているのだから。
「えいえいえい!」
「とおりゃ!」
今戦っているのはコボルトです。犬の戦士とでも言えばいいでしょうか、でも犬と言っても二足歩行の犬ですから人に、あっ!昔、流行った人面犬の逆ですね。
「おっさん!一匹いったよ!」
「はい!えいえい!」
「おっさん大丈夫!結構傷だらけじゃん」
「それを言ったら貴女だって同じじゃないですか!」
「あはは!アタシはアキラ!おっさんは?」
「私は清田紫音と言います」
「じゃあシオンね!私と逆だったら良かったのに」
「そうですね」
アキラとはよく男の子の名前でも聞きますからね。
「あはは、でも気にいってるんだ!」
「名は体を表すですもんね!」
「あ?男っぽいってこと?」
「明るいってことですよ」
「ならよし!そいじゃ進もう!」
私達は進めるだけ進み休むことにした。
「先に寝ててください」
「いいの?じゃあ、先に寝るね?」
「はい!」
ふぅ、緊張の連続ですから疲れてることでしょう。私だって疲れるんです。彼女はもっと、
「さぁ、勝負はこれからですね」
やはり現れたコボルトです。
「邪魔はさせませんよ!」
私は彼女を守らなきゃいけないんですから!
「ふぅ。何とか倒せていますね」
ちょっと傷が増えても彼女が傷つくよりずっといいですね。
「アキラさん、アキラさん?」
「は!…ってすごい寝てるじゃん!おっさんは寝なくてって!凄い傷だらけじゃん」
「あはは、年甲斐もなくちょっと頑張ってしまいました」
私が見てもひどい有様です。目を覚ましたアキラさんはもっと酷く感じているかもしれませんが、
「アキラさん!貴女は生きるべき人ですから!私は大丈夫ですから自分を第一に考えてください!」
「シオン!私は最初から2人で帰るって言ったよね?だからシオンがかけちゃダメだから」
「分かってます!私なら大丈夫ですから!」
「いい!絶対2人で帰ろうね」
「はい!」
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