10年間の真夜中

いたくて、さむくて

こわくて、つらかった


苦しみから逃れたくて

死んでしまいたかった


死へ向かう為の苦しみに

耐える勇気どころか、

その苦痛を想像すらできないのに

今わたしを苛む辛苦から逃れようと

死にたい死にたいとみっともなくわめ


誰か助けてくれ

誰でもいい、

この苦しみから救ってくれ

などと世迷いごとが溢れてやまない


体が動かなくて

胃の腑も足先も冷えてひえて

ろくに動けやしないのに

口からこぼれる呻き声と

涙と涎にまみれた顔が気持ち悪い


つらいなあ

こわいなあ

もう、やめたいなあ


恩知らずがうたう


そしてあなたは

そんなわたしに

今だけだと

いつか苦しみは去る時が来るのだと

わたしを暖めながらいうのだ

今に押し潰されそうなわたしの嘆きに

未来への希望を指し示すのだ


そうするしかできないと

少し悲しそうに


やさしくて苦労ばかりのあなた

あなたにすがるばかりのわたし

わたしがわたしでなければ

あなたはもっと幸せになれたのか

否定されなければ傷つくくせに


わたしは、本当は、

あなたを助けられる、

あなたを幸せにできるひとに

生まれてきたかった


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