ふわふわした隣人

見られてる。


今日はテレワークの日で

机にノートPC置いて

ひたすらカタカタカタカタ。


ちょっとコーヒーでも飲もうかしら、って

席を立とうと横を見たら


見てる!見てる!!

ジト目のねこが!!!


集中していたものだから、

あなた、いつ来たのか知らないけども。

そんな親の仇みたいに私のPC睨まないでよ。


私を睨んでって言ってる訳でもないのよ。


まあまあ、それでもとりあえず、

コーヒー入れて戻りましょうか。


椅子に座って、コーヒー隣に置い、置い、

ねこ!!!

あなた、ずっと隣にいる気なの!?

コーヒーぐらい置かせてよ。

なんか臭いお湯飲んでる、って顔、しないで。


そう、場所を譲る気、全くないのね。

わかった、わかった。反対側に置きましょう。

ひと息ついて、ふー。

さてさて、続きをやりますか。


はてさてやっとひと区切り。

あちこちバキバキいってるみたい。

眼鏡を置いて、肩をぐるぐる、顔をもみもみ。

ちょっとコーヒー、飲もうかな。


もふっ


あら、そうだ、

コーヒーは反対側に置いたのだった。

まだ居たのね、あなた。飽きないの?


ずーっと睨んでいるけれど、

ずっと、隣にいてくれる。

ずっと、隣で見ていてくれる。

優しいね、いいこだね、

うんとうーんと長生きしてね。


これが終わったら

一緒におやつでも食べようか。


あら、もう行くの?

え、そっちって、あ。


今じゃないの!おやつは今じゃないのよ!!

ああ、2回も言っちゃった。

こういう時だけ速いんだから。


特別だよ、一つだけね。

そうしたらまた、私のお仕事、隣で見ててね。

もう!一つだけって言ったでしょ!





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