第5話

 SNSで見た投稿で自分は母親だが中學生の自分の子供が勉強しないと云ふのがあった。

 返信がつけられるやうになってをりいいねもある。いいねの數の多さ上位二つには投稿主から返信がついていたがその内容が気になった。

 最も多くいいねがついてゐたものは「親が何かしら勉強・学習をしていると自分の為にも良いし子もそれを真似するし子どものことに必要以上に関心を持たないで済む」と云ったことが二百文字位かそこらの長さで書かれていた。

 それに対しての投稿者からの返信は冒頭は返信への礼で父親は常々資格取得の爲に何かしら勉強をしているのでそれを真似てくれればいいのになど書いてあり文の長さは貰った方と同じ位だが自分は勉強などするつもりはないと云ふことをはっきり書いてゐた。原文の在処<ありか>は分からなくなったのが「わたしはやらないけどね笑」みたいな風だった。

 いいね數二番手の返信についてゐたいいねは一番手の半分ぐらいか内容何故勉強するのか子に分かってもらふと云ふもの稍難解だが論理的な文章長さはこちらも二百字位。対して投稿者の返信は矢張り先づ礼を述べ文の量も同じ位然し問答無用で勉強して欲しい旨の文が潛んでゐた。

 折角の返信を無碍にしてゐて不遜御子さんさんも不憫である。


 支配欲と云ふのは略<ほぼ>誰しも多かれ少なかれあるだらうが良いものでは無いので自覺して出現しないやうに努めて欲しい。誰かを支配することに依って被支配者からエネルギーを搾取する構造で此れは殆ど自分が誰かに左うされて来た亊が原因になってをり支配を受けた側が次には復<ま>た誰かを支配しやうとしてしまふと云ふ怖ろしくも悲しい連鎖が起きる亊になる亊は多からう。

 私の母にも此れがある。今のところ無自覺なので困ってゐる。世界中でこのせめぎ合いが起きてゐることと思ふ。家庭学校職場凡<あら>ゆる集團で。いじめパワハラ。


 左う云ふ母親に育てられたが長じてそのことについて語り合ひ母娘関係を修復させたと云ふ人がゐた。

 その方は畫描<ゑか>きである。

 畫家ではなく「エカキ」と自称し、左う呼ばれることを好んでゐる。印象的な畫を描かれる。

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