第34話 大荒野
まだ半分寝ている剣聖ジュネのパジャマを脱がせて剣聖の道着に着替えさせて髪を櫛でといてお団子に結って。
ってパエリの他に面倒を見ないとダメな子が増えただけだし。
サーフラが気の毒そうにムールを見ている。
剣聖ジュネもムールの旅について来てしまった。
今回はダリオスの鉱山近くにあるダンジョンに行く。
中級者向けで少し強い魔物が登場するし、経験値はもちろんだけどドロップアイテムも豪華になってくる。
それにダリオス周辺の大荒野ではサンドワームが取れる。
サンドワームのステーキは絶品だよ。
「テスカの街に戻る時は転移魔法でパッと行くのに出かける時は馬車なのね。」
サーフラは不満そうだ。
「だってその方が旅の気分が出て楽しいだろう?」
「ムールは旅がしたいだけで目的地はどこでもいいんでしょ。」
パエリがフェンリルの頭を撫でながら言う。
ムールが撫でようとするとフェンリルはウーっと低い声でうなって拒否する。
こいつはご飯はオレがやっているのにパエリにしかなつかないのか?と思っているとサーフラに抱えられてジュネに撫でられても大人しくしている。
オレだけが嫌いなんか?
砂か岩しかない。
大荒野にはダリオスとコスタドガル帝国の帝都サデセブの間に1本の街道があるだけ。
いや、他にも道が無い訳じゃないんだけどこの街道だけ誰がしたのかはわからないけど魔物を寄せ付けない結界石が並べてあるんだ。
行軍させられる程は広い街道ではないので帝国が王国に進軍する妨げになっている。
街道を離れるとたちまち魔物達のおやつになってしまうからね。
それは空中にいても同じで、ステップリザードの様にジャンプして襲ってくるものや、巨大なサンドワームの様に地中から伸び上がって襲ってくるものがいる。
野良のワイバーンやハーピーなど飛んで襲ってくる魔物ももちろんいる。
で、ムール達はというと少し街道から離れたところでバーベキューを開催中の様だ。
パエリがトンって足踏みすると砂の中からビョーンってサンドワームが現れる。
街道傍なので小ぶりとは言っても太さは直径で7m程はある。
パエリがサンドワームの丸い大きさな口の上に立って跳ね上がって行く。
ジュネが口から20mぐらいの柔らかいお腹あたりを輪切りにしてサーフラの方に蹴り出す。
サーフラはアーティファクトを使って血抜きをして食べやすい大きさに刻む。
それをムールが焼き網の上に並べて香辛料で味付けする。
焼き上がる頃にはみんな焼き網の周りに集まっている。
なんか人数多くないか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます