第22話 名前はない......話
「てんぽ、その絵だれ?」
「え⁉......なんだ、のりこか。誰と言われても名前はないとしか言えないんだが」
「わがはいは猫である?」
「夏目漱石なんて、そんな高尚なものではありません」
「結局だれなのよ」
「落書きにいちいち名前つけてないんで。誰でもあり、誰でもない存在。落書き花子」
「てんぽ大丈夫?熱でもあるんじゃないの」
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