第5話 コートを捨てて

春の日の 月末最後の 金曜日 ついにコートを 脱ぎてぞ走る


出先にて クリーニングの 店により 着てきたコートを ネクタイを出す


コートなし でも気持ちよし 春の風


朝6時 春のあけぼの ひがし空 寓居のガラスに 陽を浴びせ来る


週末は ついにコートを 着ずにして 春の陽気の 中へ出かけむ


あたたかき 風も吹きます 年度末


さあ行こう このあたたかき 春日和


珈琲を すすりて書きし 我が愚作 誰かがこれを いつか読むらむ


愛情の 深くも重き あの家の 庭にそうぼく 今や何処に

* そうぼく = 草木と、沿う「ぼく(私)」の掛詞


両親の いなくなりしが 切れ目かな 姉と弟 その家族たち


去りし人 今いる人も 去り行く人 さよならだけが 人生なのか

* 映画監督川島雄三氏の座右の名より。


幕末の いのさん走る 品川の 海辺の道ぞ 今につなげし


ただでさえ 犬が人にと なるからは 喜劇となるも 無理はなかろう


必死に読んで 必死で書いて 淡々と金 稼ぎたや


さあ今日も コートはなしで 出かけよう どんな出会いが 待っているやら

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る