復興の鐘が鳴るとき

ほのか

はじめに

この本は、ラクイラ大学に留学している私が、イタリアの震災(主に2016年8月24日のイタリア中部地震と2009年4月6日のラクイラ地震)について聞いたことや感じたことをまとめたものです。情報は主に主観的ですし、俯瞰的ではありません。すべてを網羅しているわけではありません。そして小説の要素、エッセイの要素、詩的な要素を含んでいますが、フィクションにならないように心掛けています。震災についての詳細は省いていますので、ウィキペディアなどを参照してください。


本文中ではなるべくイタリア語を併記しています。読者の皆さんへの混乱を防ぎ、調べ物を容易にするためです。また、イタリア語でしか表せない微妙なニュアンスをそのまま生かすことを心がけましたが、イタリア語がわからない方もいると思うので、訳を併記しています。


さらに、「被災者= terremotati」「被災地= zone terremotate」「震災= sisma」「地震= terremoto」といった直接的な言葉をあまり使わないように心掛けています。そのため、本文中では「彼ら」「その地域」などといったあいまいな表現に留めています。それは彼ら自身がそう呼ばれることをひどく嫌っていることを私は知っているからです。彼らには名前があり、人格があり、人間としての尊厳があります。そのため、彼らをひとりの人間として扱い、決して「被災者」などと括ってしまわないことが、私達には求められています。また、彼らを「可哀想で不幸な人たち」として見るのも、私は好きではありません。あくまでも震災という出来事を経験しているだけで、それ以外の部分は私達と同じだからです。それ以外の側面も、人生には残っています。


さらに、この本には心理学や精神医学の観点から書かれている部分がありますが、あくまでも私は心理学の学生であり、専門的な部分には間違いや誤解があるかもしれません。


そのため、分かりづらい表現になっている箇所もありますが、ご了承ください。

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