第46話 不死鳥の試練ってなに? というかいきなり竜けしかけるとか俺を殺したいの?
えっとなんでシナリオは開始時間なの?
今夜じゃん。
夜十時、分かる?
普通の高校生って大体次の日の午前1時付近までには寝てるじゃん。
今から始めさせるとか意味が分からないのですが?
これが社畜ってやつか……
……社畜というよりも世界畜?
まあそんなことはどうでもいいから
[スキル『時間把握レベル1』を獲得しました。]
[スキル『時間把握レベル2』に統合しました。]
うっざ。
また行くしかないか……あーあ。
どうしてこうもうまくいかないのか。
[システムメッセージです。ユニークシナリオ『
なに人の部屋に魔法陣なんて張ってくれちゃってんの?
これじゃあ友達呼べねえじゃん!
本当に何してくれちゃってんの?
きしょいって。
[スキル『魔法陣展開レベル1』、『仲間呼びレベル1』、『存在吐瀉物レベル1』を獲得しました。]
おいっどさくさに紛れて貶すな。
殺すぞ?
その存在吐瀉物ってやめろよ。
まだ称号じゃないだけマシだけどさ……
[条件を満たしました。]
[称号『吐瀉物蛇口』を獲得しました。]
[スキル『鑑定』が発動しました。]
______________
【称号】吐瀉物蛇口
スキル『水魔法』または『元素魔法』を取得しているかつ、『吐瀉物』、『唾』もしくは『涎』に関するスキルを入手したうえで、半日の内にそのどれかを二十回以上吐いたものに与えられる称号。
称号を取得してから吐瀉物、唾、涎を吐いた回数に合わせて水属性魔法、もしくは水属性の攻撃の威力が上昇する。
計算式は、元の威力×(1+吐瀉物、唾、涎、吐血の回数/20)
______________
うーん……
本当に殺す。殺す。殺す。
前の溜息送風機のときもそうだ。
ふざけてやがる。気色悪い。
フェニックスさんには悪いがこの怒りを向けさせてもらおう。じゃないとやってられないし。
[転移魔法陣を起動しますか?]
「ちょっとだけ待ってくれ……『
行きたくはないけど。
行くしかないもんな。
あー行くのか……行きたくないなー行きたくないのになー
[スキル『擬態レベル1』を獲得しました。]
うるさいなぁ! コイツら……
[転移魔法陣を起動します。ご注意ください。転移魔法陣を起動します。ご注意ください。]
視界が一瞬で入れ替わる。
少し前まではこれだけで気持ち悪くなって吐いていたが、今はそうでも無いらしい。
随分俺も感覚が狂ってきたものだ。
[スキル『狂戦士化レベル1』を獲得しました。]
いらないって。
どうしてこうもムカつくことを言ってくるのだろう。
……というかここも特殊な迷宮なのか?
蜥蜴のところにはなくて、ウンディーネさんのところにはあった謎の引き伸ばした正八面体のクリスタルがある。
[スキル『結晶生成レベル1』、『
[スキル『亜空領域脱出レベル1』に統合しました。]
うっさい、ウザい、鬱陶しい、きしょい、邪魔、怠い。
もう全体的に疲れる……
というかここどこ?
[現在地についての情報を取得しました。]
[現在地は『
それはシナリオ名からだいたい分かるから。
今回は沙耶もいないし、かなりやばいかもしれないし。
どうする? 俺。
[スキル『仲間呼び』を使用しますか?]
NOだ。
確かに戦闘では役に立つかもだけど、他は余計なことしかしないと思うし。
[第一試練:選択の間です。情報を元に正しい道を選び、進みなさい。]
[スキル『選択問題解答全知』を獲得しました。]
ん?なんか変なスキルだ。
選択問題解答全知ってなんだ? それって全知じゃなくない? あとクソ名前長いし。
[選択問題の解答が何かを全て把握するスキルです。]
何その限定的なスキル。
クソ長い名前も相まって相当鬱陶しいんだけど。
……このスキル使えば全国共通テストとか楽勝じゃないか?
なんか分かりやすく役に立つかもしれない。
[スキル『名付レベル1』、『試験レベル1』、『共通行動レベル1』を獲得しました。]
[スキル『選択問題解答全知』を発動しますか?]
その前の通知いらなくない?
……まあ、楽ができるのには越したことはないし。
使うよな。そりゃあ誰だって使うだろ。
逆にこの状況で使わない奴いる?
いなくない?
[スキル『選択問題解答全知』を発動しました。]
……こんなあっさり終わって良いのだろうか?
あまりにも拍子抜けだ。
[スキル『単純化レベル1』、『単純行動レベル1』を獲得しました。]
……まあ、でもこのあとも続くよな……
[第二試練:逃走の間です。制限時間三十分の間、
は? ドラゴン?
え……嫌なんだけど。
は……? これはヤバくないか?
──グォオオオオオ!
咆哮と共に吹き飛ばされる。
「……っぐ…はっ………」
赤い液体が口からこぼれる。
おそらく血だろう。
全身が有り得ないほどグチャグチャになっている。
これは死ぬのかも……
[ユニークスキル『超再生』を獲得しました。]
一瞬でグチャグチャだった体が再生した。
でも、黒龍は着実にこっちに向かうまで来ている。
……恐怖が身を包んだ。
[スキル『恐怖纏いレベル1』を獲得しました。]
とにかく逃げないと……
どうして俺こんな目に……本当に理不尽だよ!
俺は一目散にその場から逃げ出した。
______________
補足です。
ダンジョン脱出系スキルはレベルによって抜け出せる深さを変えています。
ボス部屋と特殊フィールドを除いた、ダンジョンの入口から最深部までの深さを10としたとき、レベル1では、入口から1の範囲で脱出できます。
MAXだと、10全てをカバーして脱出できます。
こういう仕組みです。
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