第14話 陽向汰が生活費を出す?
ミオは再度陽向汰の眠りを確認すると、タクシーを呼び陽向汰のマンションには泊まらず自分のマンションへと帰った。
布団も毛布も使えないから家に帰るしか無かった。
陽向汰は無断で拝借するのを嫌う、かと言って起こして許可とるのは可哀想だし
慣れない会社の接待や仕事の山で疲れているようだし
起こしたらそりゃもう機嫌が悪い、前の陽向汰はそうだった今もそうかもしれない。
そんな彼の諸事情を知っているのだから陽向汰を起こし布団を借りると言うのはせっかく寝付いた陽向汰を起こすことになる。
あの頃のように陽向汰は不機嫌爆発でもしたら手が付けられない。
だから起こせば色々めんどくさい
ンだよね・・
ミオはマフラーを巻、コートを着てあの頃のように
手袋をはめ静かにドアを開けてタクシーを呼んだ。
幸いタクシーは近くに居たらしく直ぐ来てくれた。
学生の頃、何度も見た景色に包まれながらトーンダウンした外の灯りを目で追った
あの頃は陽向汰との未来をよく想像したものだ!
住み慣れた我が家は陽向汰の立派なマンションとは雲泥の差はあるが自分の所有なので安心して使える
あーやっぱ我が家が一番
1DKのマンションがこんなに居心地良いとは、手を伸ばせば必要とするものがある、よいしょつと孫の手
とかけ声があれば引き寄せれるあーなんて便利
掃除も早く終わる
家賃も並み、しかし・・・
又陽向汰に家政婦みたいに
扱き使われるのだろうか?
全く嫌では無い自分がいるのが不安
陽向汰と付き合えるのなら百歩譲っていいとして又、ナアナアな関係なら意味有る?
どこの誰が見てもボランティア確定ミオはそんな事を考え
ウサギの抱き枕にしがみつきながら眠りについた、陽向汰を忘れる事が出来なかった、
だから今迄結婚する気も起きなかった、そう結婚出来無い じゃなく、しなかったのだ たとえ陽向汰にとって都合の良い女だったとしても。
彼が
好きだったから
忘れられなかったから
好きな人とじゃない結婚?て意味あるのだろうか?
好きな人と作る家庭が女の幸せと思えば結婚には踏み込め無かった。
「おはようございます課長」
陽向汰と廊下ですれ違い挨拶すると
ドンッ💥
「おはようございます。」
キャーキャー課長
陽向汰を見つけた途端すぐ沢山の雀ちゃんが集まって来る
話所じゃない
ピーチクパーチクドケドケ
ミオは押し出されるようにはじき出され蚊帳の外
弾き飛ばされた腰を労りながらドッコイショと立ち上がる
ドッコイショの掛け声が最近オバサン化した証拠に思える
やばくない?
「あー腰イタ
ヤッパ陽向汰の傍にいるとロクなことがない。」
「さ、仕事仕事」
ミオはヨロヨロとふらついた体を立て直すとスタスタと部署へと歩きをすすめる。
又ドッコイショと椅子に座りファイルを出して仕事内容を確認する。
「倉科君ちょっと!」
就業中よびだされる、課長は又ミオを呼ぶ
「早く💢」
と威嚇され慌てて立ち上がる
なんだろうと不可視げに近寄れば課長は机に置かれたコピー用紙を指でトントン
ミオが目を落とすと
「は?」
と口からこぼれてしまう。
"今日は煮込みハンバーが食べたい。"
ミオは白い紙に並んだ文字を見てギョッとする。
「・・・⁉️子供カヨ」
するとコピー用紙に
"だから煮込みハンバーグ!"
と再度書いてきた。
「わかった?倉科さん!!」
陽向汰の怒気のこもった声に
部署はシーンとなる
「ハ、ハイッ」
と返事するしかないやんけ
皆の注目を- ̗̀ ̖́-浴びているのだから
「それからコレ」
黒いクレカが渡された
コ、コレはセレブの持っウワサのブ、ブラックカードヤンケ
ブルブル震える手で
暗証番号は3030とサラサラと書いた。
「えっ😳….ᐟ.ᐟ.ᐟミオミオ?」
ミオの頭はクラクラ
『陽向汰が金をだしてくれるって?事?有り得ない
嘘ぉーしかも暗証番号がミオミオ』
驚くミオを見て陽向汰は
サラサラサラー
と又ペンをはしらせる。
"ミオと2人、2人分の食費だから"と念を押すように2回2人と書いて来た。
「分かったら、早く
行ってください」
「ハ、ハイ分かりました。」
みんなは叱られたと思ったのか哀れみの視線を投げてくる。
「ヤバイですね先パイ
何しちゃったんですか?」
陽向汰狙いの新卒の絢香が興味津々に聞いて来る
絢香に見られないように
バックの財布にカードを素早くいれる。
会社で可愛いと評判の絢香だ
陽向汰を狙っている。
短く足を出したスカートに、男性の好きなユルフワな肩甲骨迄の髪
色はもちろんチョコレートブラウン目もクリクリの長々まつ毛はつくりものか?
頬にはホンノリチーク
ビジュ バッグン
落ちないオトコは今まで居ないと自慢するだけあって成程可愛い
若さもあってか短めのスカートも嫌味がない、ミオがあんな短めのスカートを履いたら卵でもぶつけられそうだ。
絢香は陽向汰をロックオン
執拗にいいよっている様子
陽向汰も迷惑げな顔をして絢香を見ているから心配はないかと思いながら
自分はなんの心配をしてるのだとその方が心配、スッカリ社内恋愛の雰囲気なのだ・・・
また以前の自分がニョキニョキと頭を持ち上げる。
いやいや、違う違う勘違いするなもう
以前の私じゃないから!
絢香はそんなミオに
「私ィ、本気で頑張るのであんまりぃー課長を怒らせないでくださーいね」
絢香は耳元で呟いた
「あーハイハイ」
ミオはダルそうに応える
残念ながら陽向汰の回りには絢香ぐらいの女子は他にも沢山いる事をミオは知っておる。
それ以上の女子も常に張り付いている。絢香、ざんねーん。
又あの大学時代と同じような生活か?
でも違っていたのは陽向汰が別人のように優しくなった事金も出してくれる
「もしかしたら、私の事やっと好きになってくれたのかも」
な勘違いと思いながらもそうであって欲しい気持ちがニョキニョキと頭をもちあげる。
冬半ば
クリスマスケーキのパンフが
スーパーの何処そこに見られる頃
もう少しでクリスマスイブがやってくる。
「陽向汰、プレゼントの希望ってある?」
と一応聞いてみた
買えないものは無理だと言おう、
陽向汰が変わったように私も
変わらなきゃ
「プレゼント?そうだなぁ」
「う〜ん」
「そうだなぁ」
パッとミオの目を見るが又
「う〜ん」
『うーんって何?』
「ヤッパ要らないゃ」
ミオはガクッ
「へ?聞き間違い?」
とミオはアタフタ
.。oO思った返事と違う
「あ、それにオレ
クリスマス予定あるからサ」
あ!!
.。oOそうだったか!本命は他に居て、私ってヤッパ使い勝手のイイ家政婦ってトコか!!
イヤイヤもう29か、
だと結婚とかも
考えないとラストスパートの年齢に差し掛かったと言われる私だが妥協で結婚はしない。
「そ、そっか!
アハハハハた、楽しんでね
クリスマス」
「ああ!ミオは予定あるの?」
「よ、予定?」
.。oOあるわけねーじゃん
陽向汰の為チキンを揚げて
ローストビーフ🍖作って
ケーキやいて
サラダ作って
の流れだったのにぃ~
メッチャ暇になったしー
とは言えず
あ、そうだ、
「映画映画、映画に行く!」
見栄を張りたいのか咄嗟に答えた
.。oO私にだって・・・
予定くらいあるサ
(今用事作ればアル、今は無いケド)
陽向汰はなんでも無いような顔をして一言
「ふーん、せっかくのイブなのになぁ」
「アハハハハお構いなく、予定はありますのでご心配なく。」
ミオは強がりなのだが苦しい言い訳しながら予定有るのフリ
なんなんだコイツ(陽向汰)は
陽向汰の為に予定入れてなかったと言うのに💢
あ!!
そう言えば陽向汰とクリスマスとか祝った事無かったな
陽向汰は何時も居なかったじゃんか
イギリス帰ってたし
『ふーん、映画?
って誰といくんだ?』
陽向汰は軽く聞き流したフリして
そこはしっかり押さえていた。
「映画ねェ~?」
陽向汰は内心ミオの発言に頭を悩ませていた。
『まさか男か?』
確かめねばと反射的に脳が行動に走る、陽向汰は予定をキャンセルする
それは倉科ホールデイングスのクリスマス会
会長がクリスチャンな為一族
揃ってのパーティ
コレは正月よりも優先順位は上
爺様が傘下の企業を集め会議をする目的もある。
しかも爺様の家はイギリスにある、爺様は80過ぎその日、年頃の孫を集め、それぞれの結婚相手を何処そこから探し出し見合いをさせるのがジジイの楽しみだと昔から聞いていた、俺は27だ
爺様の言う年頃は男は
29から、女子は22だった
俺は別に行っても意味無い
よし 欠席!!
陽向汰はクリスマスイブにミオを見張る事にした。
チッ、俺の他にオトコ作るなんざ何考えてんだ!
直ぐ別れさせてやる
陽向汰は嫉妬しつつその時を待った
人任せには出来ない
ミオに充分反省させなければ…
俺をゴミのように捨てるなんて許せん。
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