マサシとカミコの純情歌

第28話 試練の調べ

「旋律の記念日」コンサートの成功から数週間後、雅史と神子の音楽活動は順風満帆に思えた。しかし、突然の試練が二人を襲う。雅史が演奏中に手の動きが鈍くなり、突然の痛みに見舞われる事態が発生したのだ。彼は慌てて医師を訪れ、検査の結果、過度の練習と演奏による腱鞘炎と診断された。医師からはしばらく演奏を控えるよう厳命され、これが二人の音楽活動に大きな影を落とした。

雅史は自分の体の不調が神子やこれまで応援してくれたファンに迷惑をかけることを懸念し、深く落ち込んだ。しかし、神子は彼を励まし続けた。「雅史さん、心配しないで。私たちは一緒にこの試練を乗り越えられるわ。あなたが健康を取り戻すことが何よりも大切よ。」

神子の励ましに心を強く持った雅史は、一時的に演奏から離れて治療に専念する決意を固めた。その間、神子は二人の音楽活動を維持するために、ソロでのパフォーマンスや音楽のワークショップを開催するなど、積極的に活動を続けた。

治療と休養を重ねた雅史は徐々に回復し、再びピアノの前に座る日が来た。最初のうちは不安も大きかったが、神子の支えと徐々に戻ってくる演奏感覚に勇気づけられた。彼は、試練を通じて音楽に対する新たな理解と感謝の心を深め、さらに成長するきっかけとした。

数ヶ月後、雅史は完全な回復を遂げ、神子とともに待望の「復帰コンサート」を開催することになった。コンサートは、雅史の回復を祝い、二人が乗り越えてきた困難を振り返る場となった。会場は彼らを心待ちにしていたファンや友人、家族で満ちあふれ、演奏は以前よりも一層感動的なものとなった。

「神子さん、この試練を一緒に乗り越えてくれてありがとう。あなたのおかげで、もう一度音楽の道を歩めるようになった。」演奏後、雅史は神子に深い感謝の気持ちを表した。

「雅史さん、私たちが一緒ならどんな困難も乗り越えられる。これからも一緒に素晴らしい音楽を奏でていきましょう。」