☆キャットミント・ラヴリネス☆  〜お宅の庭にお邪魔します〜

猫野 尻尾

第1話:地球の反対側の人。

異世界からやって来た女の子シリーズ第35弾。



太陽を挟んで地球のちょうど反対側に地球そっくりの惑星がある。


その惑星の公転周期や軌道は位置が違うほかは地球とまったく同じなので、

常に太陽の向こう側に位置して決して地球からは見ることはできない。


「その惑星の名前を「アンデルセン」って言った。


その惑星の存在は地球人にはまだ発見されておらず、この時代の人類は

まだ宇宙探索の技術はなかったのです。

逆にアンデルセン星は地球よりは文明や科学が発達していたので地球の

存在はよく知っていました。


そして、その「アンデルセン」から一人の女の子が地球にやってきた。



僕の名前は「等々力 渉とどろき わたる

職業は派出所の巡査。

日々、市民のために頑張ってる。


とある朝の出勤前の出来事。

母ちゃんが洗濯物を干しに庭に出た時、広くもない庭に見知らぬ

ドームテントが張られていたらしく、母ちゃんが慌てて僕に知らせに

戻ってきた。


庭に降りて行ってみると、母ちゃんの言ったとおり庭の芝生の上に

ドームテントが張ってあるじゃないか?


いったい人んちの庭にテントなんか張るやつは誰だ?


で、僕は恐る恐るテントの中を覗いてみた。

そしたら・・・そしたら、見ず知らずの女の子がひとりテントの中で

ヘソ天で寝ていた。

見たところ、僕とさして変わらそうな歳に見えた。


なんで?

なんで、女の子が僕んちの庭でテント張って寝てんだ?

ここはキャンプ場じゃないぞ。

それにどこからやってきたんだ?


たとえば一人旅の途中で、暗くなってやむなく僕んちの庭で野宿

しようと思ったとか?・・・。


当然、起こして理由を聞くしかないよね。

ってことで僕は女の子を起こした。


「すいません・・・起きてもらえませんか?」

「・・・・・・・・」


「すいませ〜ん・・・よく寝てるようですけど起きてもらえませんか〜?」


すると女の子はびっくりして飛び起きて目をパチクリさせた。

で、眠そうな顔で片目だけ開けて眩しそうに僕を見た。


「あ・・・ども・・・あの、おはようございますぅ」


「はあ・・・おはようございます」

「起きたばっかでなんですけど・・・なんで僕んちの庭にテント張って

寝てたんでしょうか?」


「ごめんなさい・・・降りたところが、たまたまここだったから・・・」

「真夜中だったし、ここでいいやと思って・・・芝生も綺麗だったし」

「家の方に声をかけると迷惑かと思って、黙ってテント張っちゃいました」


「降りてきたって?」


「はい、空から・・・」


「は?空?・・・・」


「厳密には宇宙から・・・」

「もっと詳しく言うと地球の反対側にある惑星「ハイティーン」ってところ

から・・・」


「地球の反対側?」

「地球の反対側にそんな星があるんですか?」


「あるの・・・ここからは見えないだけで・・・」


「ってことは?君、地球人じゃないんだ・・・」


「珍しくはないと思うけど・・・」


なんだか、その子、きゃぴきゃぴしてる。

まるでアイドルみたいな格好をしていて、でやっぱりアイドルみたいだった。


とぅ〜び〜こんて乳。

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