異世界転生ストーリーが嫌いな俺が異世界転生してしまったので神を殴って全力で抵抗します。

トマト天津飯

プロローグ

妹に買い物を頼まれ、近所のスーパーへ向かう。

暇だったので持っていたスマホで来期のアニメを確認する事にした。


2028年 春アニメ一覧


・転生したら便座カバーだった件

・時給戦争

・元王族貴族、村人Aに転生

・ギター=オタク

・天才医師は旧石器時代に転生、ここから医療の発展をします

・1万回の転生した俺の話を聞いてくれ。

・隣人さんの天使は俺の許嫁だった。

・不倫保険

・好きな子のメガネに生まれ変わったので他の男が近づかない様に全員をブサイクに映します。

・腐女子の私が男しか存在しない世界に転生しました。

・元天才ミュージカル女優、転生先で世界一の劇場を経営します。

・私の魔法は何色ですか?

・大手動画配信事務所プロデューサーが転生後の世界で一人の娘に出会い世界一の配信アイドルに育てるために本気でプロジュースします。

・おっ~ほっほっ、わたくしの最強お国経営術がですわ。

・最弱冒険者に転生した俺、あまりの弱さに冒険者を諦めたていると。最強の3人の師匠に出会い、史上初のssランク冒険者になるまでの成り上がり物語。

・史上最強の男と言われた俺が異世界で魔法より格闘技の方が強い事を教えてやったけっか。

・難聴歌手~耳が聞こえない私は世界トップレベルの歌手です~

・転生特典でもらった能力【主人公補正】が強すぎて誰も相手にならない件について。

・売れないお笑いコンビ芸人。娯楽の無い世界に転生したのでお笑いしてきます。

・元最強の兵士、片腕を失った代わりに娘を拾いました。~隻腕ガンマンの育児論~

・元農家の私は草魔法で世界を平和にします。

・ドキドキ♥ラブコール

・中央魔物派遣委員会

・転生って何ですか?



半分近くの作品が転生物かよ、、、


死ねよ。


アニメは日本が世界に誇る文化である

そんな中あるジャンルのストーリーが空前の大ブームを生んでいた。


それが転生ストーリー


転生ストーリーとは

前世の記憶を持ったまま、新しい世界や生物に転生し生前の記憶を活かし転生先で生きていくストーリーが基本である。


そんな転生物語が俺は嫌いだ。

大っ嫌いだ。


ワンパターン性の物語。

ご都合主義な展開。

チートスキルで無双しまくる主人公。

これが正解だと押しつけが激しい物語、


など嫌いな理由を数えたら切りがない。


最近は転生ストーリを見るのが嫌だったが、、、

豊作を願い確認した来期のアニメは半数以上が転生ストーリーと言う。俺に取っては地獄の様ラインナップだ。


ゴミめ、、、


まぁ、『私の魔法は何色ですか?や隻腕ガンマン』などの原作から楽しみにしてる作品はあるが、、、


他の作品が終わっている。


ため息しか出ない。


と憂鬱になりながら歩いていると目的のスーパーが見えて来た。

スーパーの前には大きな道路がある。

この道路は全国でも有名な産業道路である為、まだ幼い妹を一人で渡らせたくないので買い物は俺の仕事になっている。


信号が青になったのを確認して道路を渡る。


「坊主、危ない!!」


道を半分ほど進んだ辺りで叫び声が聞こえた。

俺は叫んでいる方向を確認するように振り向くと一人のおじさんが必死に俺の方を見て何か叫んでいる。


「トラックだ!避けろ!!」


トラック?避けろ?

なに言ってるんだあのハゲじじい?


俺の頭に疑問符が浮かぶ中おじさんがどこかに指をさしているのに気が付いた。俺はその方向に目を向け俺の方に向かって大きなトラックが猛スピードで突っ込んでくる。


おじさんが言ってる事を理解した。


この危機的状況に対し俺はなぜか冷静だった。


トラックに轢かれかけてるのに周りがゆっくりに感じる、

これが『タキサイキア現象』かと思った。


この状況今から逃げてもトラックに轢かれる事実は変わらない。

あぁ、なんで俺がこんな目に遭うんだろうな。


本当に運命ってのは残酷だな。


あぁ、来週は妹をネズミ―ランドに連れて行くって約束していたのにな・・・・すまんな、雪菜、兄ちゃん約束守れそうにないわ。


来期のアニメも『わた色や隻腕ガンマン』を楽しみにしていたのにな。

せめて一話は見たかったな。


なんて事を考えても無駄だよな。

あぁ、おれ死ぬのか・・・・みんなありがとう、俺は先にあの世で待っているからな。

俺は親しい人々に別れを告げ死を覚悟した。



がその時だ俺はこの状況に強い既視感を覚えた。


いや、待てよこの状況って。


信号機、暴走トラック、死亡、、、、、


これって俺の嫌いな異世界転生の一話で見る状況にそっくりじゃないか?


もし俺が異世界に転生なんてしたら・・・考えるだけでも悍ましい。


頼む、頼むから異世界に飛ばされて生活するくらいなら俺を殺してくれ。

変な世界で異世界主人公みたいな生活だけは絶対にしたくない、


そんな俺に取って最悪な事態を想像しているとトラックが俺の体を無情にも攻撃した。

強い痛みと共に俺の体は宙を舞った。


全身をめぐる激痛に俺の意識は急速に閉じていく。

そんな薄れる意識で俺はある事を心に決めた。



もし、次に目を覚まして、俺の前に神が現れ『今から異世界に行け』なんて言われた時には俺は・・・・


【神を殴り飛ばしてやる。】

















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