第二章 勇者の兄
第4話 何も知らないハピエン厨は勇者になる者を見つける
【つかさ視点】
お?始まりの村が見えてきた!!
いやあさすが音速!魔王城から50kmも離れた村まで早くたどり着けた。
あっ目立ったらだめだった。近くの森に降りよう。
お?ここが村の入口か...村の入口にしては門が立派だな。石垣でできいる。
さてと村の状況はどんなかんじかなっと...
おお。始まりの村辺境の地の村にしては成長してるな。前に来たときよりずっと大きい村になっている。市場があれば教会もある。孤児院もあれば病院もある。村と言うよりも小さい町だな...。さてと勇者になるという子を探さないとな。
女神曰くソフィアという名前の少女らしい。今はまだ3歳だとか...これ魔王が復活したら勇者が育ちきってないのに対応できるのか?ん〜大丈夫なのだろうか...
※魔王は復活しました。
まあとりあえずソフィアについて村人に聞いてみるか...。
あっと正体がバレないように少し幼くなっておこう。
さてどの人に聞こうかな...あのおじさん優しそうだな...あの人にしよう。
「すいません。」
「おっと坊やどうしたんだい?」
坊やか、僕そこまで小さくなってないけどなあ。
「ソフィアって子を知りませんか?」
「ん?なんだい?おまえさんシオリさんの知り合いかい?」
「シオリさん?」
だれだ?シオリさんって...
「あれ?ソフィアってシオリさんのとこの赤ん坊のことじゃないのかい?」
あ~、なるほどシオリって人がソフィアの母なのか...
「あ、そうです。少し用がありまして、家を教えていただけませんか?」
「ん〜わかったよ連れて行ってやる。」
「ありがとうございます。」
「ていうか坊や一人で外にいたらあぶないぞ?なにせ最近魔物がふえてきてるからな。村の中ならまだ安全だが、村の外ともなると森だからな村の外にはでないように
しろよ?」
魔物が増えた?あれ?もしかして魔王復活の時が近いんじゃないか?
※魔王は復活してます。なんなら今侵略するための会議をしています。
こうして僕はおじさんに案内してもらえることになった。
おじさんの名前はディオ。
彼は元冒険者で、今は引退したので故郷の村であるここを守っているだとか。
冒険者で稼いだお金で村の城壁を作ったそう。なるほどあの石垣はそういうことだったのか...。そうこうしているうちにシオリさんの家についたらしい。
異世界の一般的な村人の家って感じだな...。
「ほらついたぞ。」
「ありがとうござました。」
「おうよ!また困ったら俺に聞きな!」
「はい。ありがとうございました。」
「じゃあな!」
そう言いながらディオさんは走り去った。
さてと。ここから様子を見るにはどうしたらいいのだろうか。
まてよ?ここで勇者と関わりを持てば近くにいるのも違和感がないのでは?
よし.僕は今から勇者の幼馴染になるっ!!
そうと決まったらノックしてっと
コンコン!
「はい?どなたでしょうか?あら?坊やどうしたの?」
すると二十歳ぐらいのお姉さんがでてきた。
さてシオリさんに話をしたいと伝えなくては...
というか。う〜ん。坊やに見えるだろうか一応5歳ぐらいの見た目なのだが...
(いやそれは坊やにしかみえないわよっ!)
ん?いま頭の中になにか響いたような...まあいっか。
「あのシオリさんに用がありまして...」
「あら?私に用があるの?なあに?」
...この人がシオリさんなのか若すぎないか?3歳児の母親とは思えないぞ...
しかしどうしたものか。肝心の用を忘れていたな。どうしようか...。
「あら?そういえばあなたお母さんは?」
母はこの世界にはいないからなあ...
「いません。」
「あら...あなたお父さんは?」
当たり前のように父もいないけど。
「いません。」
「あらあらもしかして迷子?」
失礼な。二人ともこの世界にいないだけだ。
「いえ両親ともこの世界にはいません」
「あら...それはごめんなさい。立ったままだと辛いでしょう?家に入りなさい。」
「ありがとうございます」
...あらぬ勘違いが生まれた気がするが...まあいいっか。
まあ一応潜入できたことだしいいとしよう。
「ここに座って。いまお菓子を持ってくるわ」
そういって彼女は台所へかけていった。
「あ~?」部屋の端っこの方で積み木のようなもので遊んでいる子供を見つけた。
【鑑定】おっやっぱりこの子がソフィアみたいだ。
とりあえず勇者の無事を確認したが、毎日訪ねて確認するのもただの不審者だもんな...どうしたものかあ...。
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【女神視点】
つかさが心配で覗いてみたら案の定よ。彼どこかずれてるわね...。
あっ彼が心配だったってのは彼がなにかしでかさないか心配だったって意味よ?六歳が小さくないやら言ってたから思わずツッコミをいれてしまったわ。
さて今のうちにつかさに私と喋れることを教えておきますかね...。
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【つかさ視点】
(おーいつかさ!聞こえてる?)
ん?なんだ突然頭に声が聞こえてきた。
(私よ!女神よ!崇めなさい!)
あっあの女神か...
(今日は私と喋れることを伝えに来たのよ。あ、でもいつでも喋れるわけじゃニアからよろしくね〜業務中は通知オフにしてるから。)
なんだその現代社会の社会人みたいな表現...
(誰が社会人よ!私は神よ!あがめなさい!)
わー女神様だーあがめないとー
(ちょっとなんでそんな棒読みなの!?)
なにっ!?この女神やはり只者ではない。
この僕の演技Lv.100がバレたこといままでなかったのにっ!!やはり神は格が違う!
(...もうツッコミ入れないわよ。)
ん?ツッコミいれる要素あったか?
(...呆れたもういいわ。じゃあ必要になったら連絡しなさいよ〜)
あっ切れた。自分勝手だなあの女神...。
「遅くなってごめんなさいね?お皿がなかなか見つからなくて...。」
...できれば勇者との接点をここでつくっておきたいが...
「君名前は?」
「僕はつかさといいます」
「そう。つかさくん。もしいまあなたに保護者がいないのなら私が引き取りたいと思うの。だめかしら?」
!?これは勇者と兄妹になるということか!?しかしそうすれば近くで違和感なく
ソフィアを守れる...!!騙してしまう罪悪感もあるが...ここは承諾しよう。
「僕、シオリさんに引き取ってもらう!」
「そう!じゃあ村の役所で手続きをしないとね」
こうして僕は勇者と兄妹になった。もちろん妹には実力を隠す。
じゃないと女神との約束が守れないしな。
多分この瞬間から世界には異変が起きてたんだと思う。
だってそもそも都合が良すぎるんだ。突然訪ねてきた子供になんの疑問もなく家にあげて、親がいないからって育てる。別に裕福だとか家計に余裕があるとかでもない。
そんな状態で見知らぬ子供を迎え入れる?家に上げるまではあるかもしれないけど、普通迷子として役所に送り返すだろう?そうなにかがおかしかったんだ。
けれど人間は自分の都合が良いように物事を受け取る。だからこのときの僕は
たまたま拾ってくれたんだと思っていたんだ...。
あれから13年が経った。
僕は18歳ということに、ソフィアは16歳になっていた。僕たちは王国学園に向かっていた。
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