眠りに就く前に
狩野と話をした後、俺はスマホを操作していた。
言われてみればシンママには手を出さない方がいいと聞く。なんとなく想像が出来なくもないが、思えばなぜなのだろう。気になったのでグーグル先生に訊いてみることにした。狩野の意見は個人的な主観が入り過ぎていて参考にならない。
いくらかサイトを見て、経済的に余裕のある男性でないと手に余る話、連れ子と合わない可能性、それから前の配偶者が子供と面会したがる場合、その男性の存在はずっと付きまとうなどの問題があった。
なるほど。たしかに面倒だ。なぜあんな美人が売れ残っているのかと思ったが、それなりに理由はあるようだ。
もし俺が彼女と一緒になったら――やめよう。まだそんな段階じゃない。俺たちは付き合ってすらいないのだから。
スマホに表示されたサイトのタブを閉じる。明日も朝は早い。さっさと寝て備えないと。昔のようにいくらでも体力があるというわけではない。
しかしまあ、選択肢としては梨乃ちゃんと付き合う線もあるわけか。夜の世界に生きてきて、メンタルが不安定な女ばかりと付き合っては地獄を見てきた。
一時期は女という生き物自体に絶望していたが、そんなにヤバい奴らはむしろ希少種だ。幸せになった人だってたくさんいる。要は誰を選ぶかなのだ。
温かくて安心出来る家庭――そんなものが、本当に手に入るのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます