(1)
わけがわからないよ。
いや……元の世界で、死ぬまでの経緯だって無茶苦茶にも程が有ったけど、異世界転生した後は、もっと無茶苦茶だ。
異世界転生した直後に出会った謎のヤンホモ白人小男に襲われて、純潔ならぬ純
「ええだか? 町ん中では、お前が『御主人様』として振る舞うだ。ややこしい事になるだでな」
「は……はい……」
「町の入口の門番には、オラを奴隷として売りに行く途中だ、って言うだぞ」
「は……はい……」
俺は、
そして……。
「おい、この町に来たのは何の為だ?」
町の入口に有る門だか関所だかで、そう訊かれると……。
「は……はい……こいつを奴隷として売りに行く途中です……」
「奴隷?」
「ええ……単純労働用の……」
「面白い冗談だな……」
「えっ?」
「生憎と、この町は……俺達、『白き肌の民』ウルクが占領した。お前ら色付き肌の下等人種どもが……『オダグ』族とは言え、俺達と同じ白い肌の民を奴隷として売るだと? ふざけるのもいい加減にしろ……ただじゃ済まんぞッ‼」
ドゴォッ‼
俺の腹に……
「あ……あの……これ……どうなって……? 言ってる事と違う……」
「い……いや……オラにも、さっぱり、わかんねえだ……」
あ……あの……御主人様、しっかりして下さい。
もう、俺には……貴方様しか頼る相手が居ないんです。
「おい、色付き肌どもが……お前らを護り、俺達を迫害していた『転生者』どもとやらと、その手下達は……もう全て死んだ。これからは……俺達ウルクが……人間どもを支配するッ‼」
て……転生者が……みんな死んだ? えっ? 何、ここ?……ひょっとして、俺、最悪なタイミングで、最悪な世界に異世界転生しちゃったのぉッ?
「これからは、お前ら色付き肌どもが、俺達、この美しき白い肌に金髪碧眼の民の奴隷だ。男は死ぬまで強制労働。女は、俺達の子供を産んでもらう。げへへへ……ざまあ♪ ざまあ♪ ざまあみろ♪」
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