呟き

辻 褄

おはよう

昨日と同じ変化のない、平凡な一日の始まり


誰もいない部屋に向かって挨拶をする


返ってこないのは分かってるけど、とりあえず挨拶をする


「おはよう」と。


囀りのように小さい声で言って、自分で恥ずかしくなる


虚しくなる 心にも来る


毎日同じものを食べ、同じ行動し、同じ電車に乗る


何の変哲もない日常で、平和すぎて、逆に胸が苦しくなる朝だ。



早朝、重い空気


誰もいないところ向かって挨拶する、虚無で苦しくなるあの気持ち


気を紛らわす為の独り言は、誰かに聞いてもらいたい心からの叫び声


テレビ番組の声、近所の人との会話の声、子どもが遊ぶ声


その幸せそうな声は、今の僕に取っては雑音


僕の「おはよう」は、見えない誰かにとっても雑音


こんなよくわからないこと考えすぎて、毎日が憂鬱すぎる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る