ラストラン
IVKI
第1話 新しい季節
枯れた花たちは新たな芽を咲かせ世界に祝福を灯す季節になった。
ここは東京都立秀兎学院、学業やスポーツなど様々な分野で結果を残している、あるいは残・す・可・能・性・が・あ・る・生徒が在籍するエリート校である。
校内には食堂、ジム、寮など最先端なものが揃っている日本唯一の高校で、倍率は2000倍と日本一の難関校になっている。
私は、そんな秀兎学院の校門の前に立っていた。
「ここが秀兎学院‥‥‥、やっと走れる、誰よりも高みに‥‥‥」
たくさんの入学生が校門をくぐって教室へと歩いていく。
私もその1人として秀兎学院の敷地に1歩1歩根を張るように歩いていった。
「私の教室は——」
「さくらちゃん?」
そう私に声をかけたのはかつて小学校の頃同じクラブだった山吹りらちゃんだった。
「やっぱりさくらちゃんだ!久しぶり!」
「りらちゃん?久しぶり、あえて嬉しい!」
りらちゃんは私を見かけると走って近寄ってきてくれた。
「足はもう大丈夫なの?」
「うん、だいぶ良くなった、これからはもうトレーニングするよ」
「よかった、これからもよろしくね」
「うん!」
秀兎学院はスポーツ科の中にも、野球、サッカー、陸上といったスポーツの種類によって教室が分けられており同じクラスの人はこれから競っていくライバルとも言えるのだ。
「(1-A、1-A‥‥‥、あった)」
自分の教室を見つけ席に座った。
人の数は多くなくひとクラス20人ぐらいだった。
あの子も、あの子も見たことある、全国大会に行っていた人たちだ‥‥‥。
少し時間が経つと先生が入ってきた。
「皆さん、席に座ったください。色々と話さなければいけないことがあるので聞いてください。まず入学おめでとうございます、秀兎学院に入学したからには私たち教員だけでなく、各専門に優れた人材が常駐しておりあなたたちのサポートをします。次ですが、秀兎学院は全寮制です、荷物は事前に各部屋に送られているのでまた後ほど部屋の番号を確認してください。あとは‥‥‥もう時間ですのでファイルに入っているプリントを読んでおいてください。今日はあと式をやったら終わりです。学内を見て回っても大丈夫なので有意義な時間を過ごしてください」
なかなか長い話だったが、ようやくスタートラインに立てて嬉しい気持ちでいっぱいだった。
♦︎
そして式も終わり教室へと戻ってきた。
席に座りプリント類をカバンにしまっていると隣の人から声をかけられた。
「ねぇ、君名前なんていうの?」
「はじめまして!
「僕は
「よろしくお願いします!」
なんだかほのぼのした人だな〜、しかも3000mで全中6位の人じゃなかったっけ?すごい人と話しちゃった!
「これから学内見にいくけど一緒に行かない?」
「うん行こう!」
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