第6話 アリスと黒い執事
何か頭に固いもの感じ、手を伸ばすと、アリスは自分が冠を被り玉座に座っている事に気づきました。
アリスは思いました。
私し王様になっちゃった見たい………
アリスの横には、黒い服装の執事が立っていました。
アリスはその執事に聞きました。
「私は、だれ?、此処どこ?」
「はい、貴方様は王様です、そして此処は王の間です」
「なんで?」
「王冠を、被っていますから」
「王冠を、被っていれば、王様なの?」
「はい、それが証ですから」
「じゃあ、みんなにも王冠を配りなさい、そして被る様に布令を出しなさい」
アリスのその無茶ぶりで、お城の中も町の中も皆んな王冠を被っている人だらけになってしまいました。
執事は嘆き言いました。
「これじゃ誰が王様だかわからないです」
アリスは言いました。
「だから、みんな王様なの!」
アリスはそう言うと、玉座を立ち、城を出て、町を抜け、あてもなく自由を目指しました。
「待って下さーい」
振り向くと執事が後を追って来てました。
アリスは言い放ちました。
「私には、王様は窮屈だわ、辞めまーすー、それに私し、お母さんにあいたいのー」
「そんなー、私はどうなるんです、ひとりになってしまいます」
「新しい王様にでも、お世話になりなさーいー」
アリスは見る限り一番高い丘の上迄登りました。
執事は、まだテケテケと追いかけて来ます。
アリスは、『シツコイわね』と思いました。
「王様、どうぞお城にお戻りを、もう日も暮れますし、今夜のディナーは貴方様の好きな魚の干物でもありますよ」
「干物なら、王様やらなくて、お母さんが焼いてくれるわ」
そう言うと、執事が王冠を被ってない事にアリスは気づきました。
「あなた王冠を被ってないじゃない」
「私は、執事ですから」
「その執事の証は、なに?」
「証ですか……」
「無いの?」
「この黒い服です」
「黒い服?」
「はい、執事は影の存在なのです、だから黒い服装なのです」
「なら、私も黒い服装を着れば執事なの?」
「『……』いえ」
執事は真顔になって言いました。
「いいですか王様、証と言うものは、本来、後から着いて来るものなのです」
「じゃあ、王冠を被っているから王様と言った貴方は間違いね」
「はい、そう言う事になります、認めます、だから、もうお戻り下さい」
「でも私は王様を辞めます」
そう言うとアリスは王冠を脱ぎ、執事に渡しました。
「……」
執事は、とうとう黙り込んでしまいました。
アリスは少し心配になりました。
「ねえ、何か言いなさいよ、怖いわね……『!』」
執事は、なんとその手渡された王冠を齧りだしてしまいました。
その行為を目の当たりにして、アリスは執事が狂ってしまったと思い、心配しました。
「ちょっと、お腹壊すわよ」
と王冠を取り上げ様とすると、王冠は、いとも簡単に半分に千切れてしまいました。
そこでアリスは思い言いました。
「やっぱり、この王冠は、偽物だったのね、こんな簡単に千切れるわけないもの、だから私も、もともと王様なんかじゃなかったんだわ」
執事は、相変わらず黙っています。
アリスは問いました。
「いったい貴方は、何者なの?」
「……」
「!」
問いを無視し、なんと執事は、アリスに、おい被さって来ました。
アリスは倒れ込み「あっ」と思うと、目の前には、チカチカした星がチラつきやがて本物の星空と流れる夜雲が広がって見えていました。
横では群からはぐれたと思われる黒い羊がアリスが編んで作ったシロツメクサの冠をムシャムシャと食べていました。
アリスはその羊と足元にある大きめの石を見て、思い出し、事の
『私しは、この厄介な羊に追いかけ回されて転んで、きっとこの石に頭ぶつけたんだわ』
少しし、羊も疲れた見たいで、その場に座り込みそのままsleepしてしまいました。そのうちにアリスは、誕生日会で配ろうと思い沢山作った草冠を、両手と頭に出来るだけ被り持ち、丘をコッソリと下りました。
[END]
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