第四話 方針

教室に戻ると、さっきまで避けていた生徒たちがチラチラとコチラを見ている。気になってみたら、目を逸らされてしまった。


気のせいかと思っていたが、どうやら気のせいではないらしい。何回もそのことが続いて、俺はわかってしまった。


ここで、一つ、俺のことを見ていた者たちは皆女である。中には、男をいたがそれは関係ない!

つまり、俺のモテ期が到来したということだ!

どこで、モテたか分からんが嬉しいことこの上ない!


はぁー、困ったもん/


「あー、やっぱり視線が気になるかー。ごめんなー。一応、いつも通りに接してやってくれって言ったんだけどなー。」


俺が思考の海で声を上げている時に隣にいたハルトが俺の思考を遮って話しかけてきた。


「えっ、どういうこと?」


俺、今モテてるんだろ。


「いやー、ツァイングって、いつも変な場面で泣き叫んだり、突然倒れたり、しないからさ。みんな、少し気になってるんだよ。」


辛辣だ。

なんだよ、俺のモテ期じゃないのか。


「そっか。昨日さ、少し夜更かししちゃて、疲れてたのかも。迷惑かけてごめんな」


「いや、いいよ。でも、体は大切にしろよ。大事をとって休むか?」


オカンかよ。いや、なんかイクメン風が出てるわ。


「いや、大丈夫。あと少しで帰れるから。授業頑張るわ」


「ならよかった。」


そう言って、ハルトはニカッと笑って見せた。

(おいおい、イケメンだな。おい。)

ハルトが笑うと、女子がざわついた。

(なん、だと、こいつモテるのか!ていうか、さっきから乙女ゲームみたいな解説やめろ!俺は女性と恋を広げたい派なんだー!)


俺がツッコミを入れている間に本鈴が鳴って、授業が始まった。


「ツァイングくん。ぼーっと立ってないで席についてください」


そして、手厳しい先生の注意が教室に響いた。


ーーーーーーーーーーーー


授業では今、生物学のことを学んでいる。その中で一人、窓の方を向いている人がいた。


はぁー


っと、俺は心の中でため息をついた。


俺には、これからの方針の方が授業より大切だ。


何故ならば、人生がかかってるんだから。

そして、今は生物学で前のツァイングくんが大好きなポイズンの話なので、的確に応えることができる自信がある。


なので、今後のことについて考えてみようと思う。


さっき決意してしまったけれど、敵キャラじゃなくなるってのもあったんじゃ?って、後の祭りか。


『男に二言はない』


って、いうしな。仕方ない。それに、転生する前の親父からこの言葉を破ったら、竹刀で袋叩き宣言されてるからな。しかも、見る限り鉄製の!

ーー ーー ーー


まず、自分の状況。

俺の毒親がポイズンによって、いなくなってしまったので、親戚の家にお邪魔している。

親戚の家には祖父母以外いないので、少し気楽だし、祖父母は俺の毒親と違い優しい人達らしい。安心だな。

次に、俺のギフト。

ここは結構大事だ。どうやら、俺のギフトは、


『浮力』らしい。


このギフトは、一定以内の重さのものを空気に干渉して、浮かせることができるらしい。

正直言って、ショボい。だって、一定以内の重さって、ケータイ一個分なんだぜ。ショボすぎだろ。


俺、このギフトで最強になれるのかな?。冷や汗が出てくるほど、心配になってきた。このままでは原作通りになってしまうのではないかと。


だが、しかーしっ。


ギフトをグレードアップできるのだよ!


命をかけてのギフトへの研鑽を神から認められると、上級ギフトになることが稀にあるだよー。


しかし、さらにギフトをもらうことはできないし、ギフトの性質変更もできない。


だから、俺は『浮力』に関する上級ギフトを調べることから始めないといけない。『無知より恐ろしいものはない』からね。


だと、すると、まずは図書館での調べもろのになるか。


今後の方針が決まった時に、本鈴が鳴った。

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