XXX日後に呪われるだけの誰かさんの日記

寝舟はやせ

俺らしいよ。


玄関を開けたら笑顔の自分が立っていた。

正確に言うなら、そっくりそのまま俺の形をした人型の何かが、笑顔っぽい何かを浮かべていた。


反射的に扉を閉じて、それからギリギリまで考えて、とりあえず鍵を掛け直すことにした。

開けるところからやり直さないと、何か取り返しのつかないことになる気がしたのだ。クソほど眠いが仕方ない。


再度鍵を回して扉を開けると、ドアガードがかかっていた。腹立つ。

隙間からは相変わらず笑顔の俺が見えた。腹立つ。

直立不動で、真っ直ぐに扉に顔を向けている。腹立つ。


クソムカつく、と思ったところで首が回りかけたので、こりゃダメだ、と鍵をかけ直して会社に泊まり込むことにした。

終電で会社に向かってんのバカみてえ。萎え。


うちの会社はセキュリティがガバなので勝手に入り込んで寝ていても怒られないのが良いところだと言える。

その他の全てがカスなのでクソのゴミだとも言える。

早く辞めてえんだが、人間は労働をしないと飯が食えない。畜生。代わりにあいつが出勤しねえかな。


翌日帰ったら消えてた。


畜生。



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