第40話 小学校の卒業式@オーストラリア

 昨日(12月18日、水曜日)は娘の小学校の卒業式でした。


 オーストラリアって、私が知る限り、入学式をやらないんですよ。入学初日は子どもを対象にしたオリエンテーションがありますが、親も同席するセレモニー的なものはありません。


 なので、小学校の「○○式」というものに参加するのは今回が初めてでした。こちらの小学校は一年生の前にプレップという学年があるので、娘は同じ学校に七年通ったわけですが、七年間で初めてです。


 学校によってだいぶ違うのだと思うのですが、オーストラリアの卒業式は日本と全然違っておもしろかったです。


 まず、卒業式の日時が水曜日の夕方7時から。しかも、学校最後の日じゃないんですよ。娘の小学校最後の日は明日です。


 最終日だと、すでに休暇に入る家族もいますし(←ここらへんがすでにユルい)、平日の夕方のほうが保護者が来やすいとか、そういう現実的な理由でそんなスケジュールになったのかなぁと勝手に想像しています。保護者の負担が少なくてありがたいです。


 卒業生はとびきりお洒落をするのが決まりらしく、娘は数週間前からアクセサリーから髪型にいたるまで、お友達とキャーキャー相談していました。


 11月の誕生日に、おじいちゃんから卒業式用のワンピースをプレゼントしてもらい(娘が一緒にお店に行って選びました)、ワンピースに合わせてオフホワイトのハイヒールとゴールドのアクセサリー(スリーコインで買えそうなやつ)も新調しました。


 当日、学校から帰ったらすぐに着替え、私が髪を整えてあげました。娘より一つ年上の女の子がお隣に住んでるのですが、その子がメイクをしてくれました。その子だってまだ13歳なのに、コスメが大好きでメイク上手なんですよ。ナチュラルなのにグラマーなメイクをやってくれました。


 すっかり支度が終わったら、娘がびっくりするほど大人っぽくなってました!


 会場へ行ったら、女の子は華やかなワンピースを着ている子が大半で、中には大胆なスリットの入ったカクテルドレスや、レッドカーペットでもいけそうなイブニングドレスを着ている子もいました。


 オーストラリアは発育の良い子が多いので、そのまま雑誌のモデルさんになれそうな色っぽい女の子たちでいっぱい。ここは本当に小学校か?! と思いましたよ。


 男の子たちも、タキシードを着ていたり、着なれないシャツを着ていたり、それなりにがんばってたんですが、12歳くらいって、女の子のほうが発達が早いんですよね。男の子はまだまだ小学生という感じで、ある意味ホッとしました。


 会場には、卒業生の思い出の写真や、2024と書かれた大きな電飾、たくさんの風船などで飾り付けがしてありました。学校の先生方や職員さんたちで飾り付けをしてくださったのですが、お忙しいのによくもここまで! と感激するほど手の込んだ仕上がりでした。


 卒業式といえば、卒業証書を一人ずつ受け取るのがメインイベントだと思いますが、日本だと、名前を呼ばれてステージへ上がり、校長先生から証書を受け取ってステージから降りるだけですよね?


 昨日の卒業式では、卒業生がステージへ上がった際、担任の先生からその子について一言ありました。


 例えば「○○さんは、笑顔が太陽みたいな元気な子で、○○さんがいると、クラスが明るくなりました」とか「○○さんは数学の天才で、ハイスクールへ行ったら、私が理解できないレベルの問題をどんどん解いてることと思います」とか、それぞれの長所をみんなの前で発表してくださいました。


 たまには「○○さんは小説を書くのが得意で、この顔からは想像できないようなグロいホラーを書くんですよ!」と笑いをとったり。


 担任の先生一人で二十人強の生徒がいるんですが、それぞれの卒業生に心のこもったメッセージをくださいました。全員分のメッセージを考えるの、本当に大変だったと思うんですよね。生徒のこと、ちゃーんと見てくださってるんだなぁと感動でした。


 セレモニーが終わってから一時間ほど、子どもは別の部屋でディスコ。保護者は式場で軽食でした。


 保護者は卒業生ほど服装に気合が入っていなくて、正装というよりは、パーティードレスやスマートカジュアルを着てる人が多かったですね。中には短パンTシャツにビーサンの男性もいましたが、どんな格好をしてても浮かない雰囲気でした。


 日本の厳かな卒業式も好きですが、こういう気取らなくて暖かい式、すごくいいなと思いました。娘もとっても楽しかったようです。


 あんなに小さかった娘がすっかり大きくなって、もう小学校を卒業するなんて。来年からハイスクールだなんて! 「おめでとう。ありがとう」っていう気持ちと、そんなに早く大きくならんでくれって、少し寂しい気持ちと。いろいろ感慨深いものがあります。子どもの成長を見ていると、時が過ぎるのは早いなぁと痛感しますねぇ。


 いやでも、やっぱり「おめでとう!」ですね。大きな病気もせず、すくすくと成長してくれました。これからも元気に育ってくれることを願います。


蛇足:昨日の式で、女の子たちの格好がすごくかわいかったので「どの子の衣装が一番かわいいと思った?」と娘に聞いてみたら、うーんと数秒考えた後「……私の」と真顔で答えられました。夫に同じ質問をしたら「○○(←娘の名前)の」と即答でした。親子そろっておめでたいな〜!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る