第12話
A「なんだよ、もう……」
A(私にとってあの子が、大事な存在? そんなの、意味わかんないし……)
A(彼女は、たくさんいる私の友だちの一人、それだけだよ……)
A(だから、別に……)
A(彼女一人と、微妙な関係になったからって……私は、別に……)
A(正直者)「……」
A(……何だよ?)
A(何か、言いたいことでもあんの?)
A(正直者)「……」
A(まさか、今の私が『嘘つき』だって?)
A(は? 私はいつだって、正直だよ? 今だって、自分が思ったことを素直に考えているだけで……)
A(正直者)「……」
A(……ちっ)
A(てかさ……あの子とは、どうやって出会ったんだっけ?)
A(私の他の友だちとは、全然タイプが違う彼女……。あんな子と仲良くなったのには、なにかしらの特別なキッカケがあったような気がしたんだけど……。
確か、そう……そうだ……。あれはちょうど、一年前……今と同じように、マックで……)
A(あの日はクリスマスで……高一だった私は、そのころからやっぱり今と同じように、家族と折り合いが悪くて、家にいるのが嫌で……マックで時間を潰そうとしていた)
A(こんな日にマックで過ごす人はあんまりいないっぽくて、店内は割と空いていて……そんな中で、私の前に注文カウンターに並んでいたのが、彼女だった……)
B(一年前)「え、あ、あれ……? えと……」
A(一年前)「……?」
B(一年前)「メニューは、これだけ……ですか? あれ……?」
A(一年前)「何? なんか、トラブってる?」
A(高校入学前からずっとこんな生活を続けていた私にとっては、このマックはもう自分の庭みたいなもので、何が起きても手間取ったりすることは無かった。でも、そんなふうにほとんど毎日通ってると、たまに、他人がトラブってるところに出くわすことはあった。
まあ、そういう人はたいていちっちゃい子供か老人とかで、そのときみたいに、同い年くらいの女の子がそういうことになってるのは、ちょっと珍しかったけど……)
B(一年前)「あ、あの……テレビで、見て……あの……」
A(一年前)「つーか、
A(ただでさえ、クリスマスに浮かれたバイトたちがシフト休んでるっぽくて、そのマックはほぼほぼワンオペ状態。さらにそこに、彼女がそんなふうに手間取ってたせいで、カウンターには行列ができてしまっていた。
私の後ろにも、ヤカラっぽいガラの悪いおじさんとエロい格好のお姉さんのカップルが、今にもキレそうな顔で舌打ちとかしてた。だから、仕方なく……)
B(一年前)「こ、こういうのじゃ、なく……。あの……」
A(一年前)「……どうしたんすか?」
A(らしくもなく、私はその子に話しかけていた)
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