第15話

アストミンを求めて。


 先日、息子が体調を崩した。土曜日から次の週の日曜日まで。体力と栄養が足りないのか、子供の頃から快復するのに日数がかかるタイプだった。今回も、だ。木曜日は「まだ無理だよ」と言う私の言葉を振り切って、息子は登校したが、電車に乗って直ぐに気分が悪くなり、次の駅のトイレで嘔吐したので、引き返してきた。それで、また病院に連れて行く。病院で5種類の薬を処方された。病院と併設されている薬局はとても混んでいたので、近所のドラッグストアの中の調剤薬局に行くと、5種類の内の「アストミン錠」と言う咳止めの薬が「在庫不足で5粒しかない。残りは、明日の夕方6時以降に取りに来てもらう事になる」と言われた。やっぱり…と思った。昨年は、どこの薬局でも咳止め不足だった。一般のドラッグストアで売っている市販薬も「在庫なし」が多かった。この状況がまだ続いているんだ。それでも、手に入るだけラッキーだ。5粒だけもらい、残りは翌日取りに行った。

 それからしばらくして、今度は、私が、喉を痛めた。最初は、市販薬でごまかしていた。これで治る時もあるので。でも、どんどん悪化していった。熱は出ないけれど、喉が痛くて、咳が出る。夜中は、喉が焼けるように熱くなり、耳が痛くなった。保冷剤で冷やしていたが、良くならないので、息子と同じ病院へ行って診てもらった。私は、3種類の薬と、うがい薬を処方して頂いた。処方された薬の中には「アストミン錠」もあった。帰りに大型スーパーで買い物をしたかったので、そのスーパーに併設されている調剤薬局に行くと、処方箋を見た係の方が「すみません。アストミン錠が今、在庫がゼロで、いつ入荷するのかわからない状態です」と言われた。それで、息子の薬を処方してもらったドラッグストアへ行く。すると、前回と違う方が受付してくれたんだけど、ちょっと頼りない感じの方だったので「大丈夫かなあ…」と思った。やっぱり、ダメで「アストミン錠は在庫切れです。○○店か△△店に確認してみますが、あったらそちらへ行ってもらう事になりますが」と言われた。「○○店も△△店も遠いので、後日でも良いので、此処で受け取りたいです」と言うと、「後日も、いつ入ってくるか解らないので…、すみません」と言われ、処方箋を返されてしまった。前回の人が担当してくれたら違ったのかなあ…と残念に思いながら、別のお店に行ってみた。ここもドラッグストア。こちらもアストミン錠は在庫切れ。「アストミン錠はお出しできませんが、処方箋を出した医師に確認して、別の薬で対応しても良いか確認する事はできます」「別の薬って、メジコンですか?」「医師に聞いてみないと解らないのですが、たぶん、メジコンになるかも知れません。メジコンなら在庫がありますよ」と言われた。メジコンなら市販品があるし、私はあまりメジコンとは相性が良くない様なので、できれば医師が処方してくれたアストミン錠が欲しい。何故か、ナイと思うとすごく欲しくなる。それで4軒目の薬局に行く。ここは、病院の近くにある個人経営の小さな薬局。受付に処方箋を出しながら「アストミン錠ってありますか?」と聞くと、「ありますよ」と即答。やった~!今度からは、混んでいても、面倒でも、病院に併設された所に行こうと思った。

 その帰りに、喉を痛めた時様の常備薬を補充しておこうと思い、ドラッグストアで、「ペラックT錠」を買う。いつもは54錠入りだけど、在庫切れだったので36錠入りを買う。咳止めは薬剤師さんに相談したら、「メジコン」を勧められた。「医療用と同量配合ですよ~」との事。「やっぱりメジコンか~。まあ、家族も使うから、これで良いか」と思うが、20錠入りしか売っていなかった。20錠では約3日分だ。40錠入りは在庫切れの様だった。

 今年の夏も猛暑らしい。また、エアコン漬けで体調を崩す人が増えるだろう。我が家は、昨年の夏、一晩中エアコンがかかった部屋で寝ていた事で、夫が喘息になった。息子は、アレルギー性鼻炎で鼻が詰まっている事が多く、口呼吸になり、喉を痛めて咳が出て、熱が出た。私も、同じ症状になった(熱は出なかったが)。それで、常備薬が必要なので、欠かす事がない様にしておこうと思っている。こういう人が多いから、市販薬も品薄なんだろうか? 今年の夏も、エアコン漬&薬漬になるんだろうか…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る