第45話 絶体絶命

2024年5月4日


「ってなことがあってね」


「そうでしたか……」


みさきが優しく微笑む。


夕御飯の買い物。

もう一緒に夕食を食べることが当たり前になってきた。


そんな日だった。


「おいおい。

 なんだ?学生の分際でデートってか?」


そう言ってガラの悪そうな男たちが数人現れて一たちを囲う。


「なんですか?」


一は睨む。


「おいおい。

 こっちの子、かなり可愛くないか?」


「離してください」


みさきが抵抗する。


「暴れるなよ!」


巨漢な男が、みさきの腹部に一撃をいれる。


「みさきさ――」


一の背後にも巨漢な男が現れ一の頭をバッドで叩いた。


「がははははは!

 なんじゃ、この雑魚は!」


「……」


一は動けない。

怯んで動けない。


「何をしているのかな?」


薄れゆく意識の中で一は十三の声が聞こえた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る