第8話 緑の遺産
水晶球のビジョンに導かれ、オイスドンR4、リケン、そしてソーラ・ギストは、荒廃した世界の中で一際異彩を放つ場所へと向かった。ビジョンに映し出された希望の光景―それは、生命が息づく緑豊かな遺産、すなわち人類が最後に残した自然保護区域の存在を示していた。
旅の途中、三匹は荒れ地と化した森を抜け、遺産の入り口に相当する古いゲートを発見する。この場所は、かつては多様な生物が共存し、人類が自然との調和を目指した実験の場だった。しかし、今ではその大半が失われ、わずかに残された生命の痕跡がこの地に希望を与えていた。
ゲートをくぐると、彼らの目の前に広がるのは、想像を超える緑の楽園だった。久しぶりに見る木々、花々、そして清らかな水の流れ。この場所だけが世界の終末から逃れたかのように、生命が息づいていた。
しかし、この楽園を守る者がいた。それは、「緑の守護者」と呼ばれる古代の怪獣で、人類が遺した技術と自然の力を組み合わせた存在だった。緑の守護者は、この地を荒らす者には容赦しない。オイスドンR4たちは、この守護者との対峙を避けられないと悟る。
しかし、ソーラ・ギストの提案で、彼らは戦闘ではなく、対話を試みることにした。ソーラ・ギストの光の能力を通じて、オイスドンR4たちの意志―荒廃した世界で生き残るため、そしてこの緑を守りたいという強い願い―が緑の守護者に伝わった。
驚くべきことに、緑の守護者は彼らの意志を理解し、楽園の一部を彼らに開放する。ただし、それはこの地を守り、維持するという大きな責任を彼らに託すという条件付きであった。
オイスドンR4、リケン、ソーラ・ギストは、この新しい住処で生活を始める。彼らは、失われつつある世界の中で見つけた希望の光を、心から大切にする。同時に、他の生き残りたちがこの地へとたどり着けるよう、緑の楽園を広め、守る使命を担うことになった。
荒廃した世界において、緑の楽園は希望の象徴となり、オイスドンR4たちはその守護者として、新たな章を歩み始めるのであった。
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