AIについて解説します ~AIが怖いという人にこそ見てほしい~

第1話 AIは人類を滅ぼせるのか

 皆様、AIは使っていますか?

 カクヨムでは近況ノートに画像を貼れるため、AI画像を添付されているのを見かけることが多くなってきました。

 それに伴って、AIについての批判的なコメントも時々見かけるようにもなりました。

 ちなみに、私もAIを使用していることを明言しているため、批判的なコメントをいただいたことがあります。(投稿者が削除したようなので見られませんが)


 AIに対して抱く感情は人それぞれだとは思うのですが、その前提知識が色々と間違っていることも多いようなのでAIについて真剣に解説してみようと思います。

 勘違いしないでほしいのですが、AI推進派とAI反対派で激論をするとかそういうことではないです。

 AIが嫌なのであれば嫌のままでも良いと思います。

 AIのメリットやデメリット、出回っているデマなどを理解した上で嫌ってほしいです。


 また、自分の考えが違うという理由で相手を批判するようなコメントをするのもやめましょう。

 カクヨムではAIを禁止していませんし、全ては知りませんが他の小説サイトも大体禁止になっていないはずです。

 ツギクルではAI診断サービスをやっているくらいです。

 禁止行為でない行為に批判をするのは筋違いです。

 やっていることはマスク警察と同じです。


 ということで、本エッセイについては批判的なコメントを禁止させていただきます。

 私は基本的には批判コメントをありがたく頂戴する主義なのですが、かなり荒れやすいテーマなのでご了承ください。


 最後に、本件の内容は執筆時点の技術について書かれているものなので、未来の技術を保証するものではないということをご理解ください。


 ――


 さて、今回のテーマは『AIは人類を滅ぼすのか』についてです。

 これ、よく見ますよね。

 SF作品などで、コンピュータが自我を持って人類に敵意を抱いていく話です。

 ニュース番組でもよく議論されているのですが、結構間違っているので勘違いされている方も多いと思うのです。


 まず結論から言えば、『現時点ではAIが人類を滅ぼす技術は開発されていないから無理だけど、未来はその可能性がある』となります。

 いや、AIの進歩はすごいじゃん、チェスや囲碁なんて世界チャンピオンでも勝てないじゃんと思うかもしれません。

 でも、あのAIはどれだけ能力が上がり続けても人類を滅ぼす力を得ることはないのです。



 AIには大きく分けて『強いAI』と『弱いAI』に分かれます。


 『弱いAI』とは、何かに特化したAIでチェスや囲碁用のAI、画像生成のAI、最近何かと話題のChatGPTも特化型AIになります。

 専門性を謳っているサイトでも時々、ChatGPTは『強いAI』と書かれていたりしますが、正しくは『弱いAI』です。


 『強いAI』は汎用的なAIになります。ドラえもんとかターミネーターとかを想像していただければいいかと。

 要するに何でもできるのです。


 この何でもできるか否かが非常に重要でして、例えばゲームの中で『◯◯の洞窟に行って、✕✕を取ってきてくれ』とあなたが依頼されたとします。

 道中には徘徊するモンスターもいますし、罠もあります。入手後に壊れないように無事に持ち帰る必要だってあるかもしれないのです。


 『弱いAI』はこれらの臨機応変な対応ができません。何かの分野に特化していますが専門外の事が判断できないのです。

 ChatGPTだって、依頼内容の理解は可能です。テキストデータを分析して対話を行うことに特化しているためです。

 ですが、その先はやっぱりできないのです。


 AIが人類を滅ぼすためには『強いAI』であることが必須条件となります。

 仮にチェスのAIがものすごく進化したとして、どうやって人類を滅ぼしますか?駒の動かし方しか知らないのに。


 そして、『弱いAI』と『強いAI』の大きな差は知性を持っているかとなります。

 『弱いAI』で使われている技術は『ディープラーニング』という技術が主流なのですが、簡単に言えばパターン認識を行って勝ちパターンを覚えさせるというものです。

 『別に根拠はないんだけど、ここはこうするのが最適』というパターンをどんどん覚えていくという感じなので、知性で判断しているわけではないのです。


 人類を滅ぼすためには実に様々な知性が要求されます。

 例えば、初めて見るような事象にも対応できる必要があります。

 その知性を身につけるための技術は研究段階であり、確立された技術ではありません。


 この問題はシンギュラリティと呼ばれ、科学的な未解決問題です。

 シンギュラリティは、AIが人間の知能を超越し、自己進化する段階を指します。

 そうなった場合はAIが人類を支配しないように対策しなければなりませんが、現在ではそもそも未解決問題なので対策しようもないです。


 このシンギュラリティ、2045年頃と考えられています。

 まだまだ先の話です。

 対策しようもないことを、今考えるなんて意味がないです。


 AIによって職を失う人は確実に出てきます。

 産業革命が多くの失業者を生んだように、AIも同様の変化をもたらすことでしょう。

 そういった不安がAIの脅威論をことさら大きくしています。

 報道番組で語る内容を見ていると、様々な脅威をごちゃまぜにしており、『弱いAI』『強いAI』の違いが考慮されていないことが多いです。


 次回へつづく。

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