第26話 あの人の正体

幼き日の夜、タカナシはふと目が覚めた。

どうやら真夜中のようだ。家族はみんな寝息を立てている。


居間のほうから、和室の扉をギィィとあける音がした。

暗い闇の中に、一瞬だけ男の姿が見えた。



タカナシは焦った。


布団に潜り、寝ているふりをする。



見てはダメだ!!

見てはダメだ!!



気持ちを必死に抑え、時が過ぎるのを待った。



そうこうしているうちに、タカナシはいつのまにか、眠りについていた。








翌朝、飛び起きて枕元を見ると、例のブツが置いてあった。











え!?もちろん、クリスマスプレゼントですよ!!??



ああ!!!起きてるのバレなくてよかった〜!!!!





—そう、タカナシはクリスマスの夜、「赤と白のふわふわの衣装に身を包んだ小柄な白髭のおじいさんがクリスマスプレゼントを置きにきた」を見たのである—





クリスマス当日にそんな夢を見てしまったせいで、タカナシは周りの子達がいくら「サンタは親だ」という年齢になっても、長いこと、いやいやサンタは実在する、自分はサンタを見たんだと言い張っていた。(恥ずすぎ。死)笑



ところが、そんなタカナシは意外な形で真実を知ることになった。



小学校高学年の冬のこと。

居間のテレビでサンタさんにもらったばかりのドラクエをルンルンでプレイするタカナシ。


テレビの横には母愛用の低いテーブルがあり、書き物が好きな母がいつも事細かに書いている家計簿がレシートとともに置かれていた。


なんとはなしに家計簿のほうをみたタカナシは、驚きのあまりページを二度見した。



母の家計簿には衝撃の事実が書かれていた。





—12/24 ドラゴンクエスト ◯◯◯◯円—









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