目を疑う光景
あれから幸は、ここで何があったのかを星奈とコリュカに協力してもらいミクセアに説明する。
その間、星奈は炎龍マグブロスを元の岩石に戻した。
「そうなのね。じゃあ、セナが巨大な怪物をジェルスラキングに変えて封印した。それで、そのジェルスラキングは?」
そうミクセアに問われ星奈は、持っているカードをみる。
「んー……ないな。そうなると、ミフェナが持っているヤツか……さっき召喚した三体のうちのどっちかだ」
「そうか……じゃあ、回収に行こう」
そう幸が言うとミクセアと星奈とコリュカは頷いた。
それを確認すると幸は、ひとまず星奈とコリュカの案内でミフェナの方へと向かう。そのあとを、ミクセアが追った。
◆◇◆◇◆◇
ここは崖の上のミフェナが居る場所。
あれからミフェナは、ずっと暇そうに波留とライゼルを監視している。
「なんか暇だ。んー……あの転移者は、壁を創り出す能力みたいだな。一緒に居るヤツは、魔術士か? でも、どっちもそれほど強い訳じゃない」
そう言いながら地面に座り込んだ。
「ミフェナ、ごめん遅くなった。こっちは、どんな感じ?」
「あ、セナ。こっち、は……」
そう言いミフェナは星奈の方を向いたと同時に、呆気にとられる。
そう目の前に幸が居て、右腕にミクセアと左腕に星奈がしがみついている。そして幸の腰にコリュカがしがみつき引きずられていたからだ。
そんな幸は、顔を引きつらせていた。
「あーえっと……これって、どういう状況な訳?」
この状況が余りにもみえずミフェナは困惑する。
「頼む……コイツラをどうにかしてくれ」
今にも幸は泣きそうだ。
それを聞きミフェナは頷き、星奈とコリュカを幸から無理矢理に引き剥がした。
その後、幸はミクセアに言いなんとか自分から離れてもらう。
「セナ、これってどういう事なの?」
そうミフェナに問われ星奈は、幸とミクセアとコリュカを交えて説明する。
「なるほどねぇ。でも……プッ、能力なし……キャハハハハ……」
ミフェナは余りにも可笑しくて、笑い転げてしまった。
「……そんなに可笑しいか? 俺だってな……好きで無能力じゃないんだ。そこまで笑うことないだろ!」
そう言い幸は、ムッとしミフェナを鋭い眼光で睨んだ。
それをみたミフェナは、ビクッとし身を震わせる。……怖かったようだ。
「あ、そう……だな。ごめん……」
「分かればいい。それよりも……ジェルスラキングの回収をして、波留たちの所に行こう」
そう幸が言うと四人は頷いた。
星奈は自分のカードに一旦、波留たちの方に居るジェルスラキングを封印する。
「とりあえず、これでいいかな」
「星奈、ありがとう。じゃあ、行こうか」
そしてその後、幸たちは波留とライゼルが居る方へと向かったのだった。
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