第29話 羊のうた
ひと目ひと目を大事に編んで。
凍える寒さを守ってもらう。
それは命、だったもの。
余すとこなくいただいて。
体から出たものまでも、大地に帰し。
そうしてまた、命のめぐりに返すもの。
あの日鳴きながら頬を舐めたその舌は、今は血肉となって。
やがて次世代へもめぐるだろう。
腹から腹へと血肉となって。
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