第13話 さかさまブルースプリング

「お前なんか、嫌いだ」

 そんなことを言うくせに、アキオの頬は夕陽もないのに真っ赤だ。

「本当に、大っ嫌いだ」

 そっぽを向いてる顔の、その瞳がチラチラとこちらを窺っている。

「キライ、なんだからな」

 そう言いながら伸ばされた手に抱きすくめられて。

 ちゅっ。

「あたしもきらいよ」

 と笑って見つめた。

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