42.……、……? ……!?
「1億コイン……」
「おまえさんに払えるのか?」
―――うーん、どうだろうねぇ。
1コイン=1万円だから、計算すると……1兆円か。
―――たっっっかっ!!
1兆円あれば世の中の本全部買えるじゃん!
(※あくまでユリアーナの予想です)
―――随分と吹っかけてきたなぁこいつ。
目が悪役だよ、しかも
まあ
「どうするんだ」
「やるわ」
「そうか」
―――やらないって選択肢はないからね。
さて、どのくらいの魔力液が必要なのか。
場合によっては魔力が枯渇してしまう。
なるべく濃度を濃くしないと。
―――【圧縮】【創造】
では超濃度魔力液を使っている間に『第1回魔法説明会』を行う。
はいそこ拍手拍手〜。
記念すべき1回目は魔力液について。
何度か魔力液の話題はあったが、良い魔力液を作るためには仕組みをしっかりと理解する必要もある。
ということで復習がてらに説明します。
魔力液は名前の通り魔力の液体だ。
形のない魔力を【圧縮】&【創造】で液化させてできるのが魔力液だ。
魔力液には本人の魔力が強く影響する。
主に量、質、濃度の三つだ。
まず量。
どんなに素晴らしくても量がなければすごい魔法は使えないし、あまりに少ないと魔力液にしても用途が限られる。
意外と重要。
次に質。
魔力の質というのは属性の数を指す。
主な属性は火、水、風、地、空、光、闇の七つだ。
これはクソ王子と王宮図書館で対峙した時に少し説明した。
量より質、と言われるようにどんなに量があっても質が良くなければ全然意味がない。
量の解説と矛盾しているように感じるかもだが、気にしないでほしい。
どっちも大切だってことだ。
最後に濃度。
魔力における濃度というのは魔法を発動させるときに必要な魔力の量を指す。
要は、どれだけ低消費で魔法を撃ちまくれるかみたいなものだ。
当然、濃い方がいい。
また、魔力の濃度を上げるために行う魔力圧縮を繰り返すことにより、魔力の量を増やすことも可能だ。
身体の成長と共に保有できる魔力量も上がるが、それ以外にも限界まで魔力圧縮をすることにより魔力の受け箱のような物を大きくすることができるのだ。
ちなみに私は有事に備え今この瞬間も魔力圧縮をしており、それを何年も続けているため濃度も濃い。
加えて私は七つの属性全てを保持しているため質もいい。
他にも何個か属性は持っている。
さすがに全属性ではないが、護身くらいはできるので全く問題なし。
いやあ、今日まで頑張ってよかった。
前世の記憶と10年弱の間、詰め込んだ知識は無駄じゃなかった。
―――一度ぐらいは自分の魔力の価値を知りたかったんだよね。魔力液なんて最高のチャンスだよ。
圧縮された魔力を更に圧縮する。
さて、どのくらいすごいのかなぁ、私は。
10万円くらいかな、と考える。
大金だ。
だが、結果はいい意味で私の予想の斜め右、グラフの最大値を軽く壊してやって来た。
「こ、これは……」
―――これは……?
「い、1千億コインの価値がある……!!」
―――……、……? ……!?
驚きで声も出ない。
価値はまさかの1千億コインだった。
―――
追記/
1万×1千億でユリアーナの作った魔力液の価値がわかります。気になる人は調べてみてください。(著者は計算が苦手です。電卓を使ってもよくわからない数字が出てきたので、答えを読者に丸投げしてる次第です。)
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