第16話

 その日はカルトと共同任務だった。場所は東京駅。

赤レンガの外壁はボロボロ、窓も役目を果たせる状態ではなかった。

「起きろ化け物。ご飯だよ」殺意丸出しで銃弾をリピットに撃ち込んでいくカルト。

 私は高い屋根の上から下にいるリピットを狙撃していく。

ふと、何かの気配を感じ、後ろを振り返る。

約二十メートル先にはリピットの大群。

(ヤバい、、、ひとりじゃ対処出来ない)

 私はあくまでも遠距離攻撃タイプ。近距離戦は苦手分野だ。

(ごめん、ソラ。許して)

心の中で謝罪を言い、ライフルを捨てて下へ飛んだ。

 両手と片膝を付けて着地の衝撃を和らげる。上にわんさか湧いたリピットに向けて銃を連発する。

だが、上の対処に集中していて、背後にいた敵に気が付かなかった。

「危ない!早く逃げて!!」

 カルトの声と銃声が同時に聞こえたが、時すでに遅しという言葉があるように、肩を負傷する。

「え、、、」

不思議と痛みは感じなかった。

視界が反転する。地面に映るのは赤い紅い私の血。

まぶたが重い。視界がぼやけていく。

最後に聞こえたのは「ルナ!死ぬな!生きろ!」と叫ぶカルトの声。

そこで私は意識を手放した。

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