これは混沌の龍がこの世を蹂躙するまでのお話し

閑話 過去の勇者

「オレの名前は魔王アールトだ、気軽にアールトと呼んでくれ」

「僕はカイ、そっちのでかいのが戦士で、いかにも武闘家っぽいのが武闘家、そして、知っての通り、魔法使い、それと、僧侶！！、起きて、起きて」

「....ここは？、天国ですか？、皆さんも魔王に殺されたんですか？」

「違う、みんな生きてるし、魔王もここにいる」

「え、！！」ガクッ

「話にならんな、そいつは置いといて、解決策を練ろう」

「どうだ？、魔法使い、収められそうか？」

「全然だめ、魔力が同じ私のはまだしも、魔王のは鑑賞しようとした瞬間から拒まれる、ましてや、魔王と協力しても自分のも私のも精一杯やって、魔法一つ制御できるかできないかぐらいだからね」

「そうかぁ〜、どうしようかねぇ〜」

「ふざけるな！！、勇者、いま大陸が一つ消し飛びそうなのだぞ！！」

「武闘家落ち着け、喚いたってどうにもならねぇ」

「それはそうだが........クソッ」

「.......僕に一つ案がある」

「本当か！？、ならいますぐやろうぜ、勇者早く！！」

「待て、それの内容をきかせろ」

「まあ、到底まともな策じゃないでしょうけどね」

「正直言うと、みんな死ぬかもしれないね、でも大陸にいる人達は生き残る」

「それですむなら、早くやろうぜ！！」

「まだ終わってないんだって、しっかり聞いてよ？、ここからが大事だからね」

「もったいぶらずに話せ」

「そんなに怒んないで、それで計画だけど.......................」

　・・・・・・・・・・・・・・・

「そ、そんな、そんなのダメですよ！！」

「僧侶、オレもそうは思うが、コレしかないんだ、どうか、勇者の策を手伝ってくれ、頼む」

「私からもお願いする」

「オレからもだ、どうか、魔王の顔を立てていただきたい」

「えぇ、あぁ、もう！！、わかりましたよ、どうなっても知りませんよ」

「ありがとうね、僧侶、じゃあみんな位置について、僕の氷が合図だよ」

「勇者様ご武運を、浮遊」

「今度会うときに今まで隠してたこと言うから、俊足」

「しくじんなよ、勇者、俊足」

「......迷惑な勇者だ、俊足」

「全員、行ったね、僕たちも行こうか」

「良いのか？、こんな計画で」

「もう決めたことだし、あとどれぐらい結界は持つの？」

「おれが、つきっきりで、あと一時間だ」

「それだけあれば十分だね、頼んだよアールト、人類の希望は君にかかってる、　　俊足」

「フンッ、魔王に人類の希望を任せる勇者がどこにいる、だが、それも面白い、久しぶりに、オレも本気を出すか！！」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僧侶

「勇者さんのバカ、こんな計画をやらせるなんて、でも、やるしかないか、」

　飛んでいると、見えてきたのは一つの街

「小さくてよかった、よし、始めますかね！！」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔法使い

「耳隠したほうが良いかな？、でもどうせ顔でバレるんだし、隠しても仕方がないか、見えた、あれがターゲットか」

　眼の前にそびえる大きな城壁

「いっちょ、暴れてやりますか！！」

　・・・・・・・・・・・・・・戦士

「中に入れてくれ」

「！！、せ、戦士様、おかえりなさいませ、魔王は討伐されたのでしょうか？」

「討伐はされてねぇが、もっとやばいのが見つかった、それの報告と対処をしに来た、入れてくれ」

「了解であります、どうぞ、王はあちらにいます」

「............」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・武闘家

「..........................」

　精神統一、心身滅却すれば

「火もまた涼し！！、《煉獄》」

　街が火の海に覆われる

「勇者の奴め、人間の魂を使うだと？、ふざけるな！！」

　拳に炎を纏う

「ふざけるなぁ！！」

　バゴンッ

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おぉ～、みんなやってんねぇ〜」

「なぜ裏切った？、勇者」

「別に、裏切ったわけじゃなくてね、とりあえず話し聞いて？、武器おろして？、いや、ちょっ、魔力まとわないで？、ね？、とりあえず、話を聞いてくれない？」

「なぜ裏切った！！、勇者！！」

「話しぐらい聞いてよ、ミルネラ！！」

「断る、私は、北帝国のSランク冒険者として、この街を守る義務があるんだ！！」

「これは、殺すしかないみたいだね」

「できるものならやってみろ！！」

「もちろん」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「勇者め、まだかかるのか、もう四十分はたったぞ」

「ただいまぁ〜、アールト」

「ん、ようやく来たか、勇者よ、！、何だその傷は、重症だ、今すぐ回復を」

「いや、いらない、それと、ターゲットは殺しておいたから、心配ないよ」

「なぜだ、回復させろ、早く傷口を見せろ」

「いらない、どうせ、僕この後死ぬし」

「どういうことだ？」

「みんなには、言わなかったけど、永遠の氷を生み出すには、大量の人間の魂だけじゃなく、術者自身の魂が必要なんだ」

「なるほどな、わかった、結界に少し穴を開ける、またいつか会おう、勇者よ」

「お疲れさん、僕は、先に地獄で待ってるね、また会おう時まで」

「ああ、じゃあな」

　結界に小さな穴が開く、そこに勇者が入っていく

　とてつもない魔力だね、今にも弾け飛びそうだ、でもそういうわけにはいかないんだ

「《永久凍結》！！」

　魔法が形を残したまま、結界ごと凍りつく、永遠に

「最後まで派手にやるな、地獄で会おうカイよ」

　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それから、半世紀後

『今に至るってわけ、理解できた？』

「全くわからん、もうちょい、簡単に頼む」

『私からもお願いします』

「簡単に言うと、魔法が暴走して、それを止めるために人殺して自分も死んで、地獄に落ちたってことだ」

「ありがとよ、完璧に理解した」

『私もです』

『よし、じゃあ僕の能力について説明しよう』